迎えたPK戦。ヒーローになったのはGK石川由晴! 中津東が7年ぶりの全国に王手

中東GK石川由晴

 ついに7年ぶりの選手権出場が見えてきた。

 11月6日、第100回全国高校サッカー選手権大分予選準決勝が行われ、中津東はインターハイ出場校の大分と対戦。粘り強い守備で相手の攻撃を跳ね返し、1-1で迎えたPKを制して決勝進出を決めた。

 中津東は序盤から組織的な守備で大分のパスワークを封じにかかる。2人のCBとアンカーでボールを回す相手に対し、中津東は2トップに加えてダブルボランチを務める南周哉(3年)を前に押し出して対応。前からプレスを掛け、アタッキングサードにボールを入れさせない策を講じる。しかし、この方策がハマらず、序盤は前に運ばれ、アタッキングサードで決定機を作られる場面も少なくなかった。そこで首藤啓文監督はプレスの掛け方を修正。2トップを縦関係にし、1人をCB、残るもう1枚を相手のアンカーに当てた。CBでのボール回しはある程度黙認し、サイドに入ってきたところで一気に奪う形にしたのだ。すると、この守備が機能し、中盤に良い形でボールを入れさせない場面が増加。攻撃に出る回数も増え、ショートカウンターで相手ゴールを脅かすシーンが作れるようになった。

 前半は0-0で折り返したが、後半に入っても粘り強く対応。開始早々の3分にはMF国広雄陽(3年)の左クロスに、FW吉岡流星(3年)が頭で合わせてリードを奪った。

 しかし、その後は相手に押し込まれる場面が散見。43分にはMF進藤基矢(3年)に左サイドを突破されると、クロスがDFの足に当たってオウンゴールを献上してしまう。不運な形で同点に追い付かれた中津東だったが、その後は粘り強い守備で相手の攻撃を封殺。球際でも競り負けず、相手に得点を与えない。

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 80分で決着が付かず、迎えた延長戦でも我慢強い守備を見せる。延長後半7 分にはゴール前を崩され、絶体絶命のピンチを迎えたが、至近距離からのシュートを守護神・石川由晴(3年)がストップ。なんとか凌ぎ、100分の戦いを終えた。

 迎えたPK戦。ヒーローになったのは石川だった。大分が1、2本目を外すと、3本目のキックを完璧にストップ。「PKは得意ではなかった」というGKがチームに勝利をもたらし、選手権に出場した2014年度以来の出場に王手を掛けた。

▽第100回全国高校サッカー選手権大分予選
第100回全国高校サッカー選手権大分予選