佐賀東、龍谷の組織的な守備に苦しむも2年連続の選手権出場に王手
佐賀東イレブン
10月31日、第100回全国高校サッカー選手権佐賀予選準決勝が行われ、佐賀東は龍谷と対戦。相手の組織的な守備に苦しんたが、終盤にネットを揺らして2年連続の選手権出場に王手を掛けた。
夏のインターハイ予選準決勝で勝利しているライバルとの再戦は序盤から苦戦。CB宝納拓斗(2年)と石橋拓磨(2年)を軸に最終ラインでパスを回し、ボランチの山内創太(3年)もビルドアップに参加するが、相手のプレッシャーに手を焼く。パスコースを限定され、中盤の選手も連動。その結果、縦パスが入れられず、頼みのMF吉田陣平(3年/新潟入団内定)も良い状態でボールを受けられない。
「前半から同じリズムで回して、時間だけが過ぎてしまった。ちょっともったいなかった。自分が受けて打開できれば良かったけど、受けられなかったので反省しないといけない」とは吉田の言葉。相手の土俵で戦うことになり、ペースを掴めない。中盤でのボールロストも目立ち、ショートカウンターを仕掛けられる場面も増えた。21分にはペナルティエリアで倒し、PKを与えてしまう。これは龍谷のFW杉光楓征(3年)が外し、事なきを得たが、その後も噛み合わないまま前半を終えた。
佐賀東 vs 龍谷
迎えた後半、佐賀東はビルドアップを修正。3人で回すスタイルは維持しながら、最終ラインから一気にFWに付けるフィードを織り交ぜた。とりわけ、効果的だったのが宝納のキック。得意の左足で最前線の川原一太(3年)を走らせ、攻撃の起点になった。
すると、徐々にペースを掴み、押し込む場面が増えていく。ゴール前までに運ぶシーンが多くなり、シュートで終えられるようになった。
その後もなかなかゴールは奪えなかったが、チャンスを作り出す。そして、72分だ。ゴール前の混戦で森田悠斗(3年)がボールを回収。「一気に右へ出し、裏街道みたいな感じでシュートまで持っていけた」と振り返った通り、相手の背後にボールを蹴り出してフィニッシュに持ち込む。最後は相手GK小野櫂音(2年)の頭上を抜くループシュートを決め、チームに勝利をもたらした。
苦しみながらも決勝進出を決めた佐賀東。「次に繋がったのは良かったけど、いろいろ課題が出た」と蒲原晶昭監督が振り返った通り、テンポの良いパスワークで崩す場面はあまり見られなかった。決勝までは2週間しかない。限られた時間でどこまで修正できるか。出場権を手にするためにも、準決勝で出た課題の改善が求められる。
▽第100回全国高校サッカー選手権佐賀予選
第100回全国高校サッカー選手権佐賀予選