前半に退場者を出した佐世保南を攻めたてた九州文化学園が8-0大勝

九州文化学園 vs 佐世保南(写真=藤原裕久)

 10月23日、第100回全国高校サッカー選手権長崎県大会が開幕し、発足3年目ながら県内で急速な台頭を見せる新鋭の九州文化学園と、佐世保南の県北校同士が初戦から激突。前半に退場者を出した佐世保南を攻めたてた九文が8-0で大勝した。

 県高総体終了後に3年生が引退し、選手全員が1・2年生の佐世保南。創部3年目でスタメン全員が2年生の九文の対戦は、スキルの高い選手が多く1年生の頃から実戦経験を積んでいる九文がボールを保持。右サイドではカンミンギュのドリブル、左サイドでは津島理音と長浦洸貴のコンビネーションで積極的にサイドを攻めたて、ブロックを作る佐世保南を攻め込んでいく。

 ほぼ一方的に攻める九文は、前半6分に宮本真大のミドルシュートで先制点を奪取すると、8分には長浦のFKで追加点。11分にも追加点を上げた九文に対して、佐世保南はCB鶴田晟仁が2枚目のイエローで退場。一人少ない佐世保南を攻めたてる九文は31分にも追加点を奪い、前半だけでスコアは4-0。数的不利の中、押し込まれた佐世保南も、加茂孔盟のドリブル突破を起点にチャンスを作ろうとするが、シュートまでは持ち込めずに前半を終了する。

九州文化学園 vs 佐世保南(写真=藤原裕久)

 後半に入り、佐世保南はラインを押し上げ前線までの距離をコンパクトにした形へシステムを修正。このシステム変更と相手が一人少ない状況に九文の有光亮太監督は「2トップにしてシンプルに裏を狙う」ことでチームを落ち着かせようとするが、大差をつけている安心感からか、九文はイージーミスが増加。それでも47、50分と立て続けに得点を奪いリードを拡大。佐世保南は濱崎準太や途中出場の小村悠樹が、劣勢の打開を狙って懸命に仕掛けていくが決定的なシーンを作るには至らず、64分と75分に九文の光野翔翼に2ゴールを決められ試合を終了。九文が8-0の大勝で2回戦の佐世保実業戦への進出を決めた。

 大敗したが佐世保南は、開始27分という退場がありながらも最後までしっかりと走って戦い抜くタフさは十分に発揮した。終盤まで全員でしっかりと走る姿勢が、後半に九文の攻めあぐねを呼んだとも言えるだろう。1・2年生チームなだけに、今回の経験をさらなる成長へつなげてもらいたい。

 一方の九文は、試合後に有光監督が「自分たちで試合を難しくした。下手にボールを持てる(技術がある)ものだから、余計なことをしてしまった。そこを修正できなかったのは自分のミスでもある」語るなど、大勝にも満足感は見られなかった。それは創部3年で県北の強豪に成長し、さらなる高みを目指すチーム全員の意識の表れだろう。

 勝利した九文は、24日に昨年の選手権県予選と今年の新人戦県予選でベスト8入りし現県北最強校とも言える佐世保実業と対戦。そこで佐世保実業に勝つことができれば、3回戦で、今年の県高総体覇者・長崎総科大附と対戦することが決定している。激戦続きの厳しいブロックでの戦いとなるが、九文の有光監督は「厳しいけれど、やり甲斐がある組み合わせ。頑張りたいですね」と対戦に心を躍らせているようだった。

(文・写真=藤原裕久)

▽第100回全国高校サッカー選手権長崎予選
第100回全国高校サッカー選手権長崎予選