延長までもつれ込む大激戦の末に国見が1-0で鎮西学院に辛くも勝利
国見 vs 鎮西学院(写真=藤原裕久)
10月31日、長崎県内で第100回全国高校サッカー選手権長崎予選の準々決勝4試合が行われ、前日の3回戦で諫早を10-0の大勝で破った国見が鎮西学院と対戦した。1月の県新人戦準々決勝でも対戦し、そのときは国見が7-1で大勝している同カードだが、今回の対戦では延長までもつれ込む大激戦の末に国見が1-0で辛くも勝利した。
3回戦大勝の勢いそのままに、この試合でも相手を押し込んで攻めることを狙う国見だが、鎮西は国見の勢いをかわすように長いボールで背後を突く攻撃を徹底。村中亮介・吉田大河が裏を取り、金子竜翔がサイドを疾走して試合の主導権を奪うことに成功する。後手に回った国見だがはGK緒方要のファインセーブでピンチを防ぐと、前半の飲水タイム後は落ち着いたボール回しで鎮西とのロングボールの打ち合いを回避。地上戦で徐々にボールを保持して攻める国見だが、この日の鎮西は全員が球際に厳しく迫り、国見に決定的なチャンスを作らせない。
試合終了直後の両校(写真=藤原裕久)
ボールを動かして攻め続ける国見、奪ってからの鋭いカウンターを狙う鎮西という展開のゲームは、前後半の80分で決着がつかず0-0のままで延長戦へ突入。短期決戦となる延長戦では互いにより攻撃的なサッカーを見せるが、国見のGK緒方・鎮西のGK松田幸大が互いに譲らぬ堅守を披露しスコアは動かず。だが、このままPK戦突入の気配も漂い始めた延長後半の97分、CKのこぼれた球を「厳しい試合だったんですけどディフェンス陣が0に抑えてくれていたので、自分が取ってやろうという気持ちだった」という古谷莞大が押し込み、国見が土壇場で勝ち越しに成功。その後も国見が鎮西の反撃を抑え込み1-0で試合を終了。1週間後に予定されている準決勝へと進出した。
「昨日の3回戦を大勝したことで、かえって今日の試合は難しくなると思っていたんですけど、予想以上に鎮西さんが長いボールを使ってきて、そこにうまく対応できなかった」
国見の木藤健太監督が振り返ったとおり、鎮西の背後を狙った攻撃は見事に国見の意表を突いたものだった。もし前半の早い時間帯に鎮西がゴールを決めていれば、試合は違う結果になっていたかもしれない。だがGK緒方を中心に体を張った守備でしのぎきったことで、国見は勝利をたぐり寄せることができた。とはいえ、ボールのつなぎでイージーなミスが多かったこと、相手の戦う方に合せてしまったことなど、国見にとっては課題が目立った試合でもあった。だが幸いなことに準決勝までは1週間のインターバルがある。この1週間で激戦の疲労と課題をいかに克服してくるか。1週間後の準決勝を楽しみに待ちたい。
(文・写真=藤原裕久)
▽第100回全国高校サッカー選手権長崎予選
第100回全国高校サッカー選手権長崎予選