堅守速攻がハマり、鵬翔が日章学園を下し優勝に王手
歓喜の鵬翔イレブン
最後に公式戦で日章学園に勝ったのは令和元年度宮崎新人戦(新人選手権大会)。選手権予選では実に5年ぶりとなる勝利となった。
11月3日、高校サッカー選手権の宮崎県予選・準決勝が行われ、鵬翔は日章学園と対戦。堅守速攻がハマり、手堅く守りながら手数を掛けずに攻め切って勝利を手にした。
鵬翔はインターハイ予選準決勝で日章学園に敗れた時と同じく、5バックを採用。5-4-1の守備重視の布陣でキックオフを迎えると、急造システムだった夏とは異なり、スムーズな入りで試合の主導権を握る。相手にボールを握らせ、中盤で人数を掛けて一気にボールを回収。そこから1トップに入るFW佐藤颯之介(3年)のスピードを生かした速攻で、相手の守備を裏返していく。26分にはその佐藤が決定機を迎え、MF宮田理央(3年)のパスを受けて左サイドから中央にカットイン。相手を振り切ると、右足でネットを揺らした。
鵬翔vs日章学園
リードを奪った後も粘り強い守備と切れ味鋭いカウンターは健在。後半に入っても集中力を切らさず、CB新竹優生(3年)を軸に守って相手に付け入る隙を与えない。怪我明けの選手を多く抱えていた日章学園の足が止まった後半の中盤以降、鵬翔も運動量に翳りが見えてきたが、守備一辺倒にならずにロングカウンターで追加点を狙う。
残り5分を切ると、相手がパワープレーでゴールをこじ開けにきたが、その勢いを逆手にとって速攻からチャンスを作る。「二人とも勢いがあって、練習からいい動きを見せていた」とは上永智宏監督の言葉。77分に平元亮(3年)、アディショナルタイムには近藤逸月(3年)がゴールを奪い、途中出場のアタッカーで勝負を決めた。
「日章学園にはインターハイ予選でも負けていて、高校生活で戦えるのは今日が最後。全員が3度目のリベンジで借りを返したかった」(佐藤)
5年ぶりに選手権予選で日章学園を下した鵬翔が、その時以来となる全国舞台出場にまた一歩前進した。
▽第100回全国高校サッカー選手権宮崎予選
第100回全国高校サッカー選手権宮崎予選