「ドリブルは自分が一番得意としているところなので、そこだけは誰にも負けられない」2年生MF名願斗哉の活躍で履正社が強敵前橋育英を撃破!

PKを決めた履正社FW宮路峻輔

 全国の強豪40チームが出場する第9回和倉ユースサッカー大会決勝トーナメント1回戦が7月29日に行われ、昨年の和倉ユース大会で準優勝の履正社(大阪)とインターハイでも優勝候補に挙げられる前橋育英(群馬)との一戦は後半3ゴールを叩き込んだ履正社が前橋育英を3-2で下し準々決勝に進出した。

 この試合、前橋育英は82番FW守屋練太郎、履正社は46番MF名願斗哉がそれぞれ躍動した。先ずは前橋育英のFW守屋がいきなり決める。5分、混戦の中FW守屋がひとり中央を抜け出し右足でゴール左下にシュートを決めて決定力の高さを見せると、20分にも左ポスト直撃のシュートを放つ。技術の高い選手が攻撃陣に揃っている前橋育英の中で、FW守屋はひと際ゴールを意識したプレーが光った。

この試合2ゴールの活躍をみせた前橋育英82番FW守屋練太郎

 履正社のドリブラーMF名願も負けていない。MF名願は左サイドを主戦場にしているが、この日は状況を見てトップ下の位置でボールを受ける回数が多く、持ち前のキープ力を活かし味方が上がる時間を作ったり、機を見て自ら仕掛ける動きもみせチャンスを作る。すると32分、履正社はCKの流れからパスを繋ぐと最後は「先輩の植田君が良い形でボールをくれたんで、自分は決めるしかないと思って打ちました」とMF名願が右足でコントロールシュートをゴールに流し込む。

 MF名願の同点ゴールで勢いに乗った履正社は直後の33分、裏に抜け出した14番MF西村和弘がボックス内で倒されPKを獲得。これを18番FW宮路峻輔が落ち着いて沈め逆転に成功する。46分にもFW宮路からのパスを受けた16番FW廣野大河がゴールを決めて追加点。これで履正社が勝利をぐっと手繰り寄せる。

 しかしここから前橋育英が反撃。流れを履正社から引き戻すと54分、14番MF小池直矢がボックス内でフリーになりシュートを放つ。しかしシュートは僅かに枠の外へ。さらに59分、ボックス内の競り合いのこぼれ球を拾ったFW守屋が左足を思い切り振り抜きゴール左ニア上に突き刺す。FW守屋のこの日2つ目のゴールで1点差に詰め寄った前橋育英だったがここでタイムアップ。3-2で履正社が逃げ切る形となった。

【フォトギャラリー】和倉ユース大会決勝トーナメント1回戦 履正社 vs 前橋育英

持ち前のドリブルで履正社の攻撃を牽引したMF名願斗哉

 この試合で2年生ながらMVP級の活躍をみせた履正社のMF名願斗哉は「前半は味方の距離が遠くてセカンドボールが拾えなくて相手ボールの時間が長かった。トラブルもあって先制されて厳しい前半だったんですけど、後半もう一回ちゃんとしっかり自分たちの戦い方を改めて『背後を取りに行こう』とやったことがハマって後半はいい形で終われたと思います」と試合を振り返った。「上手いし強かったのでやり応えのある相手」と対戦相手の前橋育英に対して語ったが、表情を変えずに上手く脱力して運ぶ独特なドリブルは十二分に通用していた。「ドリブルは自分が一番得意としているところなので、そこだけは誰にも負けられない」と強敵相手に躍動したMF名願は「めちゃくちゃ楽しかったです」とこの試合でまた一つ自信を付けた様だ。

(文・写真=会田健司)

▽第9回和倉ユースサッカー大会 2021
第9回和倉ユースサッカー大会 2021