スタメン落ちの悔しさを味わった2年生FW小林俊瑛がピッチに入って30秒で決勝ゴール!大津が清水桜が丘を下し和倉ユースを3位で終える

大津が逆転勝ち

 全国の強豪40チームが出場する第9回和倉ユースサッカー大会決勝トーナメント最終日が7月31日に行われ、3位決定戦、清水桜が丘(静岡)vs大津(熊本)の一戦は途中出場FW小林俊瑛のゴールで逆転に成功した大津が2-1で清水桜が丘を下した。これで勝利した大津が3位、清水桜が丘が4位という最終結果となった。

 静岡市立と熊本県立の公立校同士の対戦となった3位決定戦。プレミアリーグWEST所属でインターハイを控える大津は青森山田に0-1で破れるも2位で予選グループを突破すると、決勝トーナメントで市立船橋履正社を倒し準決勝で流通経済大柏と激突。インターハイ2回戦で対戦する可能性のある流通経済大柏が相手とあってこの試合は両チーム主力を出さない試合となりPKで敗れこの3位決定戦に進んできた。

 対するプリンスリーグ東海所属の清水桜が丘は予選グループを無敗で1位突破。決勝トーナメントではジェフユナイテッド千葉U-18帝京長岡を破り準決勝で青森山田と対戦。強敵相手に善戦したものの0-2で敗れこの3位決定戦に進んできた。

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 試合は立ち上がりにいきなり動く。5分、GKのロングフィードを繋いで、右サイドに流れた13番FW今野京輔がDFとの競り合いを制しグラウンダーのボールを入れると9番MF大瀧秀一がこれをワンタッチで丁寧に8番MF落合文にフリック。これで抜け出したMF落合がコントロールして右足を強振。シュートは逆サイドネットに突き刺さり清水桜が丘が先制に成功した。

 立ち上がりに先制を許した大津だったが、10分過ぎからは落ち着いてテンポ良くボールを回しペースを握る。10番MF森田大智を中心にチャンスを作り、11番FW一村聖連のカットインシュートや7番MF川口敦史が中央突破からのシュートで清水桜が丘のゴールを襲う。すると21分、3番DF日高華杜のロングスローを前で逸らしたボールが上がっていた4番DF川副泰樹に収まる。DF川副が迷いなく左足を振ったシュートは右ポストに当たって再度DF川副の元へ。これをDF川副がすぐさま右足でゴールに流し込んだ。

 1-1で迎えた後半も大津ペースで進む。大津は40分、2年生192cm長身の9番FW小林俊瑛を投入し勝負に出る。するとその直後のFKでいきなりFW小林が大仕事をやってのける。FKをMF川口が右足でゴール前に速いボールを送るとこれがファーサイドに陣取ったFW小林の頭にドンピシャで合い、強烈なヘディングシュートがゴールネットに突き刺さった。FW小林のファーストタッチのゴールで大津が2-1と逆転に成功。そのまま試合は終了し大津が和倉ユース3位を勝ち取った。

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決勝ゴールを決めた大津9番FW小林俊瑛(写真中央)

 この試合途中出場で決勝点を挙げ、終了間際の60分にもクロスバー直撃の強烈なミドルシュートを放つなど存在感を示したFW小林俊瑛は試合後「いいボールが来てGKが自分のサイドにいるのが見えていたので逆サイドに流し込みました」とゴールシーンを振り返った。「スタメンじゃないとわかった時には(気持ちが)落ちましたけど、そこは切り替えて、『途中からやってやろう』という気持ちで入れたからゴールも決められたのかなと思います」とスタメン落ちした悔しさをパワーに代えて決めたゴールだったことを明かした。「インターハイ前に青森山田とやれたことが大きかったし、あれくらいやらないと勝てないというのがわったので改善していきたい」と、この和倉ユースでの収穫を口にしたFW小林は目標の高卒プロを目指し、「インターハイで少しでも注目されるように自分がやってやる」まずは2年生でインターハイ制覇を目指す。

(文・写真=会田健司)

▽第9回和倉ユースサッカー大会 2021
第9回和倉ユースサッカー大会 2021