後半は学法石川も前半よりパスを丁寧につないで攻撃できるようになったが、「守備から積極的にいく、攻撃的な守備をしようと話した」という八戸学院野辺地西三上晃監督の狙い通り、前からプレッシャーをかけインターセプトを狙い、シュートまで持ち込む場面が増えた。そして67分インターセプトからゴール前にドリブルし、ミドルシュートを放ったのはMF町屋紅斗(3年)。これが鮮やかに決まって2点差とした。82分にはキャプテンMF木村大輝(3年)のフリーキックからFW金津力輝(3年)がゴールを決めて勝負あり。3-0と八戸学院野辺地西が勝利し、2回戦ブラウブリッツ秋田U-18戦に駒を進めた。
2点目を挙げた町屋を祝福する八戸学院野辺地西の選手たち(写真=小林健志)
ほぼ完勝という内容の八戸学院野辺地西。「学法石川さんの映像を見て力のあるチームだと思いました。われわれのできることをしっかりやろうと思い、プラン通りのゲームができました」と攻守で主導権を握れたことを喜んだ。先制点の中山も「選手権が終わってからプリンスリーグ東北参入目指してやってきて、良い形で勝って次につなげられました。相手がどこであろうと次も勝ってプリンス参入を決めて、後輩への良い置き土産にしたいです」と意気込んだ。
一方学法石川稲田正信監督は開口一番「完敗でした」と語り、「心技体を落とさずにやってきたつもりでしたが、相手の方が良い時間帯が多かったです。前半終了間際の失点が大きかったです」と振り返った。今大会に出場が決まったのは、尚志高がプレミアリーグプレーオフ敗退の決まった12月12日だった。キャプテンの円道は「今週1週間は良いモチベーションでしたが、それまでは難しいモチベーションで練習していました」と語り、選手権から参入戦出場が正式に決まるまでの調整は難しいようだった。これで全ての公式戦が終わり、高校3年間を振り返った円道は「高校3年間はこれまでの人生で最も充実していて、毎日成長できました。生きていく上で困難にぶち当たったら、高校3年間を思い出すと思います」と胸を張った。
(文・写真=小林健志)
▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ東北 プレーオフ(参入戦)
高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ東北 プレーオフ(参入戦)