明桜の原美彦監督は目を涙で潤ませながら「私が就任して4年目で、まさかこのタイミングで上がれるとは思いませんでした」と感激ひとしおだった。奇しくも同じ秋田勢のブラウブリッツ秋田U-18も参入を決めていた。「ブラウブリッツのスタッフとも仲が良くて、自分たちが秋田のサッカーを盛り上げていこうと話しています」と語る原監督。プリンスリーグ東北参入の秋田県勢が0となっていた状況から2に増えたことを心から喜んでいた。「秋田県は守って勝つ、粘り強くという部分がありましたが、私は攻撃的に行きたいです。相手を見て判断するテクニカルなところや、選手にGPSをつけるなど科学的な試みもやっています」と先進的な試みを採り入れながら、秋田県のサッカーを活性化させようとする明桜。プリンスリーグ東北での戦いが大いに楽しみだ。

 一方あと一歩で初のプリンスリーグ東北参入を逃した東北学院橋本俊一監督は「相手も疲れて動きが重い中、うちは後半流れが良かったです。ただ、畳みかけられなかったのが痛かったですね」と試合を振り返った。それでも2年生チームで、1学年上のチームと互角以上の戦いを2試合もできたことは大きな収穫と言える。ここ数年宮城県の王者として君臨していた仙台育英に県新人大会で勝って優勝したのはフロックでは無いことを証明した。プリンスリーグ東北参入は逃したが、タレント豊富な来年の東北学院からは目が離せない。

(文・写真=小林健志)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ東北 プレーオフ(参入戦)
高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ東北 プレーオフ(参入戦)