3度目の正直でPK戦制した明桜が初のプリンスリーグ東北参入!2年生チームの東北学院は健闘及ばず
PK戦勝利に沸く明桜の選手たち(写真=小林健志)
プリンスリーグ東北参入戦決定戦が12月19日、Jヴィレッジにて2試合行われた。第2試合は宮城県リーグ2位の東北学院高(1位の仙台育英高セカンドは、仙台育英高のプレミアリーグプレーオフ敗退のため出場無し)と、秋田県リーグ1位のノースアジア大明桜高が対戦した。東北学院は宮城県内の進学校として知られ、3年生が受験のため選手権県予選終了後全員引退し、今大会唯一2年生チームでの出場だったが、18日の1回戦専大北上高戦は3-0と快勝し、勢いに乗っての勝ち上がりとなった。
前半は明桜が得意のポゼッションサッカーで相手を押し込み決定機をつくっていく。それでもあと一歩のところでゴールが奪えなかったが、37分逆サイドからのボールを受け、右サイドから中央へと切り込んだ前半途中出場のMF藤山成弥(2年)がペナルティエリア外から左足を振り抜いた。グラウンダーのミドルシュートが見事に決まって、明桜が先制に成功し、1-0で前半を折り返した。
明桜FW藤山成弥(2年)は前半途中からの出場で左足を振り抜き、先制ゴールを決めた(写真=小林健志)
しかし後半流れは東北学院に傾いた。後半開始直後から投入したMF野木夢翔(2年)とMF小野寺環(2年)は共にドリブルを得意とし、攻撃に良いリズムを与え、徐々に明桜陣内へ押し込む時間を増やし始めた。そして59分だった。小野寺のコーナーキックに低い弾道のヘディングで合わせたのはMF加藤岳(2年)。セットプレーで東北学院が同点に追いついた。その後も東北学院が多くの決定機をつくったが、明桜はGK川村晃生(1年)が何度もファインセーブを見せ、全員で何とかピンチをしのぎきった。1-1のまま試合はPK戦に突入した。
「嫌な思いがあった」というのは明桜のキャプテンMF内藤蒼空(3年)。今年の明桜は県高校総体では西目に、選手権県予選では秋田商にPK戦で敗れ、全国大会出場の夢を断たれたからだ。しかし今回は東北学院3人目加藤のPKに川村が触った。これが左ポストに当たり、ライン上を転々としたボールは右ポストに当たると、なんとこれがゴールの外へ出た。このPKストップに川村は雄叫びを挙げた。その後明桜は5人全員成功し、5-3でPK戦勝利。悲願のプリンスリーグ東北参入を決めた。川村は「県高校総体は自分が出て負け、選手権は直前で交代させられて負け、今回は出してもらったので絶対勝つという気持ちでした。止めたPKはリラックスして相手の反応をよく見ることができました」と3度目の正直でのPK戦勝利に笑顔を見せた。
▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ東北 プレーオフ(参入戦)
高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ東北 プレーオフ(参入戦)