試合終了直後、勝利とプリンスリーグ東北参入を喜び合う秋田U-18の選手たち(写真=小林健志)
後半に入ると、なんとか追いつきたい八戸学院野辺地西が攻勢に転じた。前日ゴールのMF町屋紅斗(3年)やキャプテンMF木村大輝(3年)などが果敢にゴールに襲いかかるが、秋田U-18はDFリーダーのDF伊藤慶亮(3年)やGK山岡凌空(2年)を中心に体を張った守りを見せ続け、ゴールを割らせない。68分には前半から左サイドで何度もドリブル突破を見せた田中が足をつって交代となるが、その後はDF齋藤晃葵(2年)のロングスローから何度も決定的な場面をつくり出す。それでも最後まで守備陣の集中が切れなかった秋田U-18は無失点で後半を耐えきり試合終了。2-0で秋田U-18が勝利し、プリンスリーグ東北参入を決めた。
秋田U-18の熊林監督は今大会2試合連続無失点で終えた守備について「私たちはトップチームとのトレーニングマッチを毎月重ねています。昨年トップの監督が代わりましたが、あのトップの強度にも耐えられたのが要因です」と語り、吉田謙監督の下、球際での守備を徹底的に鍛えているトップチームとの練習試合により、相当守備が鍛えられたという。DFリーダーの伊藤も「守備の強度やサッカーの本質を突き詰めることをやりました。野西(八戸学院野辺地西)も強かったですが、球際、切り替えで上回れたのが勝利につながりました」と自慢の守備で相手の猛攻を抑えられたことを誇った。来年のプリンスリーグ東北での戦いについて熊林監督は「クラブチームですが、3年生が見せてくれたように一生懸命やってかっこつけないところを見せたいです。結果を残すのも大事なのでやるからには優勝を目指します」と1年目から堂々と優勝、プレミアリーグプレーオフ出場を狙いに行く構えだ。
一方あと1勝のところまで迫りながら、またしても参入に届かなかった八戸学院野辺地西三上晃監督は「センターバックのアクシデントの交代、さらに代わった選手のミスと不運が続いて残念な形で失点しました」と前半不運が続いたことが痛かったという。それでも「後半は押し込めたのですが、秋田さんも最後まで体を張って守備していてこじ開けられませんでした。1つ入っていれば違ったと思うのですが…」とゴールまであと一歩と迫りながら得点を奪えなかったことを悔やんだ。「今年のチームも前回の先輩たちの悔しい思いを背負って戦ってくれました。来年またこの場所に戻って来られるように県リーグから頑張ります」。青森県では絶対王者の青森山田高相手に揉まれ続け、力をつけてきた好チーム。次こそプリンスリーグ東北参入を決めて、戦うステージを上げていきたい。
(文・写真=小林健志)
▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ東北 プレーオフ(参入戦)
高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ東北 プレーオフ(参入戦)