後半怒涛の5ゴールで鹿島学園が関東一に6-1で大勝!鹿島学園は来季プリンス関東1部参入決定

2G2Aの活躍をみせた鹿島学園MF鈴木仁也

 12月22日、プリンスリーグ関東 プレーオフ(参入戦)の決定戦が山梨県の押原公園グランドで行われた。鹿島学園 (茨城)vs関東一 (東京)はMF鈴木仁也の2G2Aの活躍もあり鹿島学園が6-1で関東一を下した。勝利した鹿島学園は来季のプリンス関東1部参入が決定し、敗れた関東一はプリンス関東2部に参入することとなった。

 前日も決定戦を行った両チーム。鹿島学園は流通経済大柏(B)に0-2で、関東一は西武台に1-1からのPK戦(3-4)でそれぞれ敗れこの最後の1枠を争う事となった。しかし両チームの状況は異なる。鹿島学園は前日の流経B戦をサブメンバー中心で戦っており、関東一は西武台戦を主力メンバーで戦っていた。そして両チームとも選手権出場校ながら、鹿島学園は初戦が12月31日、関東一は12月28日という事もあり、これがこの試合の勝敗を大きく左右させることにもなる。

 主力メンバーでこの試合に挑んだ鹿島学園とサブメンバー中心で挑んだ関東一の一戦は、前半風上となった関東一がペースを握る。9分に23番MF日下空が左サイドを縦に突破しクロスを入れると、直後にも日下が縦に勝負を仕掛けCKを取るなど左サイドを活性化させる。対する鹿島学園は相手が陣形をコンパクトにし、前線からプレスを掛けてこないとみるや、GKも含め最終ラインでボールを回しながら機を見てDFラインの裏にボールを送っていく。

 先制点を挙げたのは関東一。20分、右CKからインスイングのボールに27番DF岩楯雅之が合わせ、ヘディングシュートをゴールネットに突き刺した。そこから鹿島学園も反撃に出る。18番FW中嶋飛翔が左サイドからドリブルで仕掛け口火を切ると33分、左CKにファーサイドでフリーになった3番DF杉山諒がヘディングで合わせゴールネットを揺らした。

 ゲームが振出しに戻ると、関東一は29番FW佐藤亜樹がカウンターからミドルシュートを放ち、鹿島学園は左サイド深くからボックス内に侵入したFW中嶋がシュートを放つ。一進一退の展開のまま前半終了のホイッスルが鳴る。

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ゴールを決めて喜ぶ鹿島学園イレブン

 後半に入ると風上に立った鹿島学園が攻勢に出る。11番FW松村尚樹と16番FW西川竜瑛が前線で起点となり、10番MF鈴木仁也が2列目からゲームを作る。すると69分、右CKからの競り合いで4番DF佐々木輝大が倒されPKを獲得。これをMF鈴木が落ち着いて決めた。これで2-1と逆転に成功した鹿島学園は73分にも15番DF上原悠平の右サイドから高く上げたクロスボールが風に乗りゴールに吸い込まれる。

 3点目を手にした鹿島学園は更に76分、左サイドでFKを獲得すると、キッカーのMF鈴木が「ふかさないようにファーサイドに流すようなイメージで」と右足で巻いたボールをゴール前に送ると、このボールがそのまま逆サイドネットに吸い込まれる。

 これで勝負を決めた鹿島学園は78分にも左サイドからのクロスをFW松村がワントラップから華麗なボレーシュートを決めて5点目。試合終了間際には出場して間もない20番FW森龍ノ介が裏に抜け出し、前に出ていたGKを確認してからバウンドに合わせダイレクトで右足を合わせ、GKの上を抜いて6点目。後半怒涛の5ゴールを決めた鹿島学園が最終スコア6-1で関東一を下し、見事にプリンス関東1部昇格を決めた。

 勝利した鹿島学園は風下の前半は無理をせず、後半に勝負をかけ関東一を突き放した。2戦目ではサブ組を中心に戦い、コンディションを調整しながら、出場機会の少ない選手たちも試す良い機会に出来たことはチームの底上げにもなった。

 一方、敗れた関東一はプリンス関東1部昇格を逃す結果となったが、小野貴裕監督は「この悔しさを持って選手権に挑めるのはうちしかない」と前を向いた。メンバー選考についても「今日の朝ギリギリまで迷った」と明かしたが、後半劣勢に立たされても小野監督はサブに入っていた主力を出さない判断を下した。ここでの悔しい気持ちをチーム全体で選手権の開幕戦にぶつけるつもりだ。選手権の開幕戦がより楽しみになった。そう思わせてもらえる関東一の一戦となった。

(文・写真=会田健司)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ関東 プレーオフ(参入戦)
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