兵庫第2代表の報徳学園がPK戦で綾羽に競り勝ち、悲願のプリンス1部初昇格を果たす!
勝ち越しゴールを決めベンチに駆け寄る報徳学園8番MF筒井翔太
11月23日、プリンスリーグ関西 プレーオフ(参入戦)決定戦がJグリーン堺で行われ、報徳学園(兵庫2)と綾羽(滋賀1)の一戦は、前後半終わって2-2で譲らず、報徳学園がPK戦を5-3で制し、見事にプリンス1部初昇格を果たした。あと一歩のところで敗れた綾羽はプリンスリーグ関西2部リーグ参入が決まった。
報徳学園のスターティングメンバーは
GK櫻井啓太
DF林琉樹、山崎純平、坂元一太、大野匠
MF瀧田隼人、岸本颯太、筒井翔太、松本一輝
FW樋口虎太郎、坂元一渚璃
対する綾羽は
GK小林玲音
DF垣谷航汰、中島波斗、川副湧槇
MF大見翔悟、末若昂大、西本悠亮、川村洸太郎、小向貴也、渡辺夢叶
FW槇島明都
のメンバーで試合に挑んだ。
兵庫第2代表の報徳学園は1回戦で選手権和歌山大会王者で第1代表の近大和歌山を2-1で下し勝ち進んできた。対する滋賀第1代表の綾羽は奈良第2代表の五條に6-1と大勝。このプリンス1部昇格決定戦に勝ち進んできた。
試合序盤は報徳学園ペース。「ポジションもバラバラでしたが、今日は3年生の引退試合だったのでサブまで全部3年生で、骨の髄まで何があってもこの試合を楽しもう!」と試合に高田秀一監督が送り出した報徳学園イレブンの出足が良く、セカンドボールも拾って綾羽を押し込む。すると報徳学園は16分、18番FW坂元一渚璃からのボールを14番MF松本一輝が決めて幸先よく先制する。その後も1回戦でゴールを決めたFW坂元がシュートを放つなどチャンスの多かった報徳学園が押し気味にゲームを進め前半を終える。
【フォトギャラリー】プリンスリーグ関西 プレーオフ決定戦 綾羽 - 報徳学園
後半意地の2ゴールを決めた綾羽イレブン
後半に入ると「やったことないようなことをやっていて楽しいの?自分たちのやってきたサッカーをやろう!」と岸本幸二監督からハーフタイムに檄を入れられた綾羽が反撃開始。後半開始直後の46分、10番MF渡辺夢叶からのスルーパスで抜け出した9番MF小向貴也がボックス内左に侵入しゴール右に流し込み電光石火の同点弾が決まった。
同点に追い付かれ、流れを取り戻したい報徳学園は57分にキャプテン10番FW船越大空を投入。直後のFKをFW船越が「最後の試合だったので自分の力で勝たせたかった」と左足で直接狙うと、GKが弾きスクランブルになったところを最後は8番MF筒井翔太が押し込みゴール。報徳学園が2-1と再び勝ち越す。それでも諦めない綾羽は77分、左サイドMF小向からの高速クロスにゴール前に飛び込んだ8番MF川村洸太郎が合わせてゴールネットを揺らす。
再び振出しに戻ったゲームはその後、両チームが3点目を狙って攻め合いに。報徳学園がFW船越のボレーでゴールを狙えば、綾羽も試合終了間際に怒涛の連続攻撃を仕掛ける。しかしどちらもゴールには繋がらず後半終了のホイッスル。勝負はPK戦にもつれ込む。
PK戦では後攻の綾羽が3本目を失敗。先攻の報徳学園は4本連続で成功し、迎えた5本目。5人目のキッカーは途中出場のキャプテンのFW船越。「2日前のPK練習で外していて、正直ちょっと嫌なイメージもあったんですけど、チームの中で一番蹴っている数は多いと思うんで、自信を思い切りぶつけた」というシュートで船越がゴールネットを揺らし試合終了。PK戦を5-3で制した報徳学園が勝利した。勝利した報徳学園はまさかの選手権初戦敗退でどん底に落とされたところから、見事に持ち直してプリンス初昇格を勝ち取った。綾羽も選手権決勝であと一歩のところで優勝を逃し、気持ちを立て直すのは難しかったはずだが、このプレーオフでは素晴らしいサッカーを見せてくれた。この試合は勝っても負けても3年生が最後の試合という事で、勝ちたい気持ちがぶつかり合い激しい試合となったが、どちらの選手たちもその激しい真剣勝負を楽しんでいた。PK戦で勝敗はついたが、両チームのイレブンからその気持ちが伝わってくるナイスゲームだった。
(文・写真=会田健司)
▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ関西 プレーオフ(参入戦)
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