勝利後の徳島北イレブン(写真=寺下友徳)

【フォトギャラリー】徳島北 vs 藤井学園寒川

 試合は開始早々にスコアが動いた。2分、徳島北は濵﨑からパスを受けた須崎が右サイドを駆け上がりPA右にまで進出してゴール中央へ低いクロス。これを尾崎がスルーし完全にフリーとなった原田がダイレクトでシュート。これが決まり電光石火で先制に成功する。

 しかし、その後は藤井学園寒川が主導権を握る展開に。渡邊が攻守にゲームメイクをしつつ、敵陣に入ると中野が両サイドからのロングスローでチャンスメイクした彼らは18分には渡邊の左CKからヘディングシュート。40分にも清水、牧とつないで土肥がシュートを放つなど、シュート数は5対3で徳島北を上回った。

 後半に入っても藤井学園寒川の攻勢は続く。ポジションをFWに上げた渡邊が起点となり、サイドアタックを徹底。54分には清水の右サイド突破から井上がフリーでシュート。同点ゴールは目の前と思われた。

 しかし、そこにあったのは徳島北DF漆原の身体。「2年生は水曜日まで修学旅行なのでコンディション調整が難しかったが、気持ちが入っていた」(久次米尚和監督)チームの心意気を文字通り体現する背番号「6」のプレーは、終盤の粘り強い守備組織に直結した。

 終わってみれば藤井学園寒川に12本のシュートを浴びた徳島北が原田の1点を守り切り来季5年ぶりの四国プリンス昇格が決定。「ここ2週間で作った」182センチの大型1年生ボランチ・津川など「伸びしろ」が大きい選手がさらなる成長を遂げる上でも、実に大きな「1-0」であった。

(文・写真=寺下友徳)

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2021プリンスリーグ四国 プレーオフ(参入戦)