鵬翔 vs 大津2nd
後半にタイトな守備からカウンターを徹底して得点を狙う鵬翔だが、ここで立ち塞がったのが大津2ndのGK毛利優太だった。鵬翔が51分に福島、53分に佐藤と立て続けに放った決定的なシュートをことごとくセーブ。鵬翔が59分にスピードのある近藤逸月を投入し攻撃をスピードアップさせてからも、再三に渡る好セーブでゴールを死守。鵬翔は後半の飲水タイム後から、さらに攻撃の圧力を高めて1点を奪いにくるが、毛利のプレーに引っぱられるように大津2ndの守備陣も奮闘。大和田空・野田翔升が集中を切らすことなくクレバーな対処で攻撃を弾き返し、2点のリードを保ち続ける。
試合終盤に次々と選手を投入して疲労の見える鵬翔を押し返した大津2ndは、終了間際にはコーナーでボールをキープして時間を進め、試合はそのまま2-0で終了。最後まで失点を許さなかった大津2ndが、プリンスリーグ参入戦初出場での昇格を勝ち取った。
「大津、強し」
あらためてそう印象付けたこの試合で、勝利立役者となったのがGK毛利だった。鵬翔の研ぎ澄まされたカウンターは鋭く、決定機の数ならば鵬翔の方が多かった。鵬翔が後半に見せた猛攻を思うと1点でも入っていれば、試合の流れは大きく鵬翔に傾き、同点・逆転は十分にあり得ただろう。だがそのことごとくを毛利がストップし続けた。セーブ後のキックやスローイングの判断・質も素晴らしく、攻撃の第一歩としての役割も見事に果たすなど、攻守両面で毛利の果たした役割は大きいものだった。攻撃陣に比べて目立つことの少ないGKが、プリンスリーグ参入決定戦という大舞台で最高の輝きを見せ、見事に昇格をつかみ取った一戦だった。
(文・写真=藤原裕久)
▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ九州 プレーオフ(参入戦)
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