西武台の選手たち(写真=河野正)

 西武台の守屋保監督は、「選手権に向けて選手起用などでいくつかテストしたが、バランスが良くなかった」と述べ、早々に3バックへ変更したことについては「前半で2失点してもおかしくなかった。押し込まれる時間が長かったので、守備をしっかりやろうというメッセージです」と説明した。

 正智深谷の試合運びが巧妙だった中でも、エースのゴールできちんと同点にし、勝ち点を上積みするあたりはさすがだ。指揮官は選手権予選が終わってから、無敗でのS1リーグ優勝にこだわったそうだ。

 これで来季のプリンスリーグ関東2部参陣が決定。さらに1部参入戦を勝ち切った上、全国選手権で優勝に近づくために守屋監督は「これからもっとチームを成長させたい。耐える力に加え、一気に攻め切る力も付けてほしい」とイレブンに要求した。

 原田は主将らしく、優勝しても喜びどころか反省の弁しか出てこなかった。「最近のリーグ戦3試合はすべて納得できない。全国選手権で最高の試合ができるようにサッカーのことだけを考え、練習(に臨む姿勢)から変えていかないと駄目ですね」と語り、本気で高校日本一を目指す意気込みを示した。

 13年のS1リーグは、首位浦和東と勝ち点2差の2位正智深谷が最終節で激突し、正智深谷が2-1で勝って逆転優勝を飾った。当時とまったく同じ情勢だっただけに、小島時和監督は「市立浦和に負けたあの唯一敗戦が痛かった」と話した後、「選手権予選で負けてからモチベーションを維持するのが大変だったが、選手と向き合い話し合い、最後は選手を信じた。きょうはミスからの失点でもったいなかったが、内容的には満足です。よく頑張ってくれた」と選手の労をねぎらった。             

(文・写真=河野正)