西武台が通算12勝6分けの無敗で2010年以来、11年ぶり2度目の優勝

西武台vs正智深谷(写真=河野正)

 高円宮杯U-18埼玉県S1リーグは5日、西武台高校第2グラウンドなどで最終節の5試合が行われ、首位西武台と2位正智深谷の上位決戦は1-1で引き分け、西武台が通算12勝6分けの無敗で2010年以来、11年ぶり2度目の優勝を果たした。

 プリンスリーグ関東は、来季から2013年以来9年ぶりに1、2部制が復活する。西武台はまず2部昇格が決定。さらに1部参入を懸けた決定戦(12月18、21、22日・山梨県)での成績により、05年以来の1部昇格となる。

 関東高校大会予選を無失点で制し、本大会でも11年ぶり3度目の王者に就いた西武台は、第100回全国高校選手権埼玉大会で11年ぶり4度目の優勝を遂げ、最後の県内大会であるS1リーグに臨んだ。引き分けでも今季4冠達成という優位な立場だった。

 一方の正智深谷は全国高校総体予選で無失点優勝を果たしたものの、全国高校選手権埼玉大会は初戦の3回戦で越谷西にまさかの逆転負け。それでもS1リーグでは勝ち点1差の2位で追走し、勝てば8年ぶり3度目のタイトルを獲得できた。

 ほぼベストの陣容を形成した西武台だが、前半は本来のリズミカルでスピード豊かな攻撃が展開できないでいた。好機は3分に左FKからDF武笠隼季(3年)が放ったヘッドのほか、44分にFW松原海斗(3年)の右クロスをDF安木颯汰(3年)が合わせた一撃、終了間際に左CKからDF河合陸玖(2年)のシュートが守備陣に弾かれた3回ほどしかなかった。

 勝てば逆転で首位を奪える正智深谷は、ボランチの増子康介(3年)がパスとドリブルで攻撃をリードし、全国高校総体予選でも活躍したFW山口陽生(3年)らのアタッカーが果敢に敵陣に進入。攻勢の時間帯が続いていた前半38分、MF寺田海成(3年)の左クロスをMF渡辺友斗(3年)が、絶妙の切り返しでマーカーをかわし、左足で先制点を蹴り込んだ。

 西武台は後半開始から、FW細田優陽とMF山本匠馬の両3年生を投入。前半29分からは、4-3-1-2でスタートした陣形を3-4-3にして流れを変えようとした。そうして13分、安木が左サイドで敵ボールをカットすると、エースFW市川遥人(3年)が斜めの最終パスをちょこんと合わせて同点とした。

 この後は一進一退の攻防が展開され、西武台は主将のDF原田蓮斗(3年)が、積極的に攻撃参加して2本シュート。正智深谷もボランチの初雁龍(2年)が中距離砲などを2本お見舞いしたが、両チームとも加点できず1-1で終了した。

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