岩槻北陵は序盤粘り強い守備で市立浦和の猛攻を耐えたが、セットプレー2発をきっかけに相手に勢いを渡した。それでも10番MF池田優斗(1年)が劣勢の中でも良い動きを見せていた。

 市立浦和・大野恭平監督は「初めての公式戦で緊張もあったと思うんですけど、1試合を通して自分たちが積み上げてきたことをやろうという意識はあったかなと、そこは良かった」とした。

 ひとつ上の代はMF小松悠太やDF三井翔太といった個を持った選手がいた。今年は彼らほどの突出した選手はいないが、チームの総合値は昨年同様に高い印象だ。前線で核となる八木下、林はもちろん、アンカーのMF内藤輝(2年)も経験を重ねながら自信を深める。後ろではDF小林奏太(2年)が面白い存在に。「一個後ろから前に入っていけるし、怖がらずにボールを持てる」(監督)。この冬は常葉大橘、清水桜が丘、静岡学園との対戦でもボールを失わなかった。最後尾には指揮官の信頼も厚いGKテイラー開(2年)がおり、センターラインは揃っている。

 今年もプリンスリーグ昇格と全国出場を狙う。大野監督は「去年はやっぱりトーナメントで勝てなかったので、勝てるチームになりたいし、しなきゃいけない。リーグ戦はプリンスを目指してやらなきゃダメだと思っている。そこはちゃんと高いところを目標にやりたい」と力を込める。

 今年の代の主将を務める八木下は「去年ああいう情けない結果に終わってしまったので、今年は一戦一戦、ワンプレーワンプレーを大切にして、絶対に全国に行きたい」と意気込みを語った。

 昨年5月には人工芝のグラウンドも完成。その影響も大きく感じているという文武両道、公立の雄は自分たちの環境に感謝しつつ、今年も2つの大きな目標に向かって「本気」で取り組む。

記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登

▽令和3年度埼玉新人戦(新人選手権大会)北部支部
令和3年度埼玉新人戦(新人選手権大会)北部支部