横浜FCユースの守護神、西方優太郎は圧巻のパフォーマンス(写真=佐藤亮太)

 ただ前橋育英にひとつ誤算があるとするならば……横浜FCユース守護神GK16西方優太郎がいたことだろう。

 果敢な飛び出し。大きな声と正確なコーチング。さらに運を味方につけ、バーやポストに助けられた。

 こんなシーンがあった。35分あたりにプレーが切れた際、チームメイトから「ナイス! 優太郎」と声をかけられると、「もっと、もっと(声援を)くれ」とアピール。

 またハーフタイム中、ピッチでウォームアップしていた横浜FCユースGK21堤晃波が「(GK西方が前半だけで)4回、いや5回、救った」とつぶやくほど、当たっていた。

 MVP級の活躍を見せたGK西方は「前橋育英はゴール前の崩しが多いチーム。裏への対応やひとつのシュートに対して執念でもっていった」と振り返るとともに あのアピールについて「ハイテンションになれば自分のプレーはあがっていく。自分自身への鼓舞を含め、チームメイトにもっと(声援を)くれと(笑)。きょうはバーやポストに助けられたが、気持ちでもっていった」とニンマリだった。

 バトルオーラ全開の守護神・西方について、横浜FCユースの小野信義監督は「最近、安定したプレーができている。きょうは何度か助けられた」と話したが、GKだけでなく、指揮官の采配も当たった。投入しわずか3分で同点ゴールを決めたMF高塩について「ケガ明けでようやくコンディションがよくなってきた。チームを救ってくれたことはポジティブだった」と評価。一方で「お互い、勝ちたいなか、相手のほうがクオリティは高かった」と課題を忘れていない。

 内容で勝ちながら、押しきれず、引き分けとなった前橋育英。きょうはツイていなかったというしかない試合といえる。

(文・写真=佐藤亮太)

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