後半途中から出場したDFチェイス・アンリ

 さらに一気に畳み掛けたい高校選抜は78分に切り札、チェイス・アンリ(尚志/3年)を投入する。U-21日本代表候補合宿から合流したばかりのCBは、前半から常に立ち上がったまま戦況を窺い、試合出場への意欲を隠さなかった。

 尚志でも指揮を執る仲村浩二監督もその様子を見て、70分過ぎに一度ベンチに呼んで「話がしたいだけだ!」と冗談交じりに言うなど、モチベーションをくすぐる一幕もあった。

 そして、チェイス・アンリ本人にとって、ようやく巡ってきた出場機会。しかも、本職ではないFWでの出場とあって、積極的にゴールを狙っていく。すると、80分には鮮やかなスルーパスでチャンスメイクをし、チームをさらに勢い付かせた。続く82分にも右サイドを打開して中央に折り返すと、川口敦史(大津/3年)の決定機を創出する。

 しかし、肝心のゴールが遠く、勝ち越し点が奪えない。格上の相手に対して善戦した高校選抜は初勝利を挙げられなかったものの、手応え十分の内容で試合を終えた。1分1敗で迎える最終日はグループステージ突破を懸けて、U-20全日本選抜と対戦する。

 (文・写真=松尾祐希)

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