中央トーナメント1回戦 桜宮 vs 桃山学院

 そして16分、桃山学院は松本が中盤右でパスカットから持ち運び斜めにスルーパス。これが中央左に走り込んだ石井に通ると最後は下代が落ち着いてゴールに流し込んだ。

 これでペースを握った桃山学院は27分に追加点。細かくパスを繋ぎ中央を突破すると松岡がフィニッシュ。28分にもFKの跳ね返りを石井がダイレクトボレーで突き刺し連続ゴール。

 桜宮も前半終了間際の34分に右CKからこぼれ球を4番FW三輪慈音が蹴り込み1点を返す。

 このゴールで後半は桜宮の反撃が始まるかと思われたが、逆に桃山学院がゴールを量産する。41分、ロングボールに抜け出した下代がGKより先に頭で触り4点目。47分、途中出場長身19番FW西条将太が起点を作り、左から石井が斜めに入れたボールを松本が見事なコントロールで下代へ繋ぐと下代がハットトリックとなるゴールをゲット。さらに50分にシュートのこぼれを西条が押し込むと、67分には27番MF坂上宗太郎が中央右を一人で縦に突破し右足で7点目を沈めた。

 圧倒的な強さを見せつけた桃山学院。どちらに先制点が転んでもおかしくない展開だった序盤に「ピリピリするな!楽しもう!」と選手が声を掛け合い、激しいゲームの中でも自分たちのサッカーを貫いた事がその後のゴールラッシュに繋がった。"止める、蹴る、運ぶ"そして"相手の逆を突く"を徹底的に突き詰めてきた桃山学院がペースを握ればどんな相手でも圧倒出来る。そんな選手たちの自信溢れるプレーだった。

 一方、悔しい大敗を喫した桜宮。それでも三輪がシュートを突き刺し意地をみせ、44分にはカウンターで8番MF本中野紳のスルーパスから12番MF巽彩夢がGKと一対一を迎えたシーンなどチャンスはあった。この悔しさを糧に自慢のスピーディーなサッカーをさらに伸ばし、選手権でのリベンジに期待したい。

 (文・写真=会田健司)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選