後半3分・帝京第五FW9松田 侑弥(1年)が5対1とする2ゴール目を決める(写真=寺下友徳)
対する済美は、GKが17川越幹太(1年)。4バックは右からキャプテンの6大西永遠(2年)、3八束紅楓(2年)、5山口絞生(1年)、4髙石淳杜(2年)。中盤はダブルボランチが8幸春登(2年)と7前野尋哉(2年)。右が10谷野陽香(1年)、左が9沖宮快(2年)。2トップの頂点に14宮村和真(2年)。その下に10高本和空(2年)である。
試合はキックオフ直後に動く。自陣で済美が始めたボールポゼッションに猛烈なプレッシングを掛けボールを回収した帝京第五は、右サイドに待っていた藤野がクロスボールを供給。そして相手DFのこぼれ球を梅澤が詰めて得点。この間約30秒。
まさに電光石火の先制点は2009年就任以来13年目を迎えようとしている植田洋平監督いわく「選手権優勝の青森山田を見ても解るように、フィジカルや攻守の切り替えを大事にしなくてはいけない」現代サッカーのグローバルスタンダードを体現するものだった。
不意を突かれた格好の済美もすかさず反撃する。15分、ペナルティーエリア外・左45度付近でボールを持った沖宮は、ゴールまで30mの付近から逆サイドネットを目がけたロングシュート。これが糸を引くように突き刺さり、試合は激戦の様相を呈してきた。
だが、帝京第五の闘志は全く衰えることはなかった。23分・藤野の中央突破から丹羽が右足シュートを決め勝ち越すと、28分には武田の左CKに峯山が頭で合わせ3対1。さらに31分には梅澤の絶妙ループパスに反応した丹羽が合わせ4対1。怒涛のゴールラッシュで試合の大勢を決してしまった。
帝京第五は後半にも1点を追加。その後はアグレッシブな姿勢を失わなかった済美にやや守勢を強いられる場面もあったが、シュートを計3本に抑えきり5-1。今年1月に76歳で逝去された長崎総合科学大附・小嶺忠敏監督の国見監督時代に薫陶を受けた指揮官率いる帝京第五が「勝負の世界」を制する闘いで名門・済美に快勝を飾った。
(文・写真=寺下友徳)
▽令和3年度愛媛新人戦(新人選手権大会)代替大会
令和3年度愛媛新人戦(新人選手権大会)代替大会