大洲 vs 松山工(写真=寺下友徳)

 試合は双子の久葉温斗・奨斗、山下、今岡を中心に積極的な仕掛けを見せる松山工と、「ボールを動かせる」(大塚翔太監督)という土居、福岡の両サイドバックを起点に横幅を大きく使った展開を見せる大洲が正面からぶつかる興味深い展開となった。フィジカルに勝る松山工は31分、山下のドリブル突破で獲得したPKを今岡が冷静に沈め先制するが、後半は松山工ボランチの前にできたスペースでワンツーを使い、サイドに展開する術を多用した大洲が決定的なチャンスを数多く得ることに。

 そんな大洲の戦いは残り1分でついに実を結ぶ。土居の右サイドアーリークロスに頭で合わせたのは宇都宮。指揮官いわく「狙い通り」により土壇場で追い付いた大洲は、松山工を10分ハーフの延長戦へ持ち込むことに成功した。

 だが、延長戦までのブレイクタイムで1989年度・南宇和が全国高校サッカー選手権優勝時に主将を務めた大西貴コーチらからネジを巻き直された松山工は延長戦で奮起。前半8分に清水が自ら放ったシュートのリフレクションを拾い、地を這う20メートルコントロールショットで勝ち越すと、延長後半にも2点を追加し4対1。

 松山工は「中予地区新人戦後から約2カ月練習試合がなく、紅白戦をしても評価がチーム内でしかないので難しかった」(坂本哲也監督)中でも「勝利」という最優先事項を成し遂げた。

(文・写真=寺下友徳)

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