小林は4試合すべてで得点。格の違いを見せつけた(写真=多田哲平)

 そして、履正社ゴールをこじ開けたのが後半6分だった。

 後半の頭から出場した阪田澪哉(東山/新3年)が右サイドを抜け出して右足を一閃。前日のU-17日本代表戦で得点を挙げて「2月の候補合宿からゴールがなかなか取れなかったけど、ようやく(U-17日本代表戦で)取れて重しが取れた感じ」と語っていた上り調子のアタッカーが値千金の先制ゴールを決めてみせた。

 この一撃で勢いを増したU-17日本高校選抜は、前半34分から白井に代わって途中出場していた徳永涼(前橋育英/新3年)を中心としたテンポの良いパスワークがよりスムーズになり、攻撃が加速。さらには後半から出場の名願斗哉(履正社/新3年)が所属元相手に切れ味鋭いドリブルを仕掛け、何度もゴールへと迫っていった。

 守っては、キャプテンCB新谷の統率力と、後半20分からピッチに立った津久井佳祐のカバーリングが冴え渡り、相手のチャンスをことごとく潰していく。相手DF加藤にヘディングを許した34分のFKの場面も、シャドーの川端にシュートを受けた40分のシーンも耐え凌いでみせた。

 極めつけは終了間際の後半45分だ。FW小林がペナルティエリアすぐ外から左足を振り抜き、ゴール右隅へと強烈なミドルシュートを叩き込む。全4試合で得点を記録し、計7ゴールと格の違いを見せつけたストライカーが見事に試合を締め括った。

 履正社のハイプレスも目を見張ったが、U-17日本高校選抜の総合力の高さを示し、見事に優勝を飾ってみせた。

(文・写真=多田哲平)

▽第4回 J-VILLAGE CUP U18
第4回 J-VILLAGE CUP U18