三菱養和SCユース vs 浦和レッドダイヤモンズユース

 ピンチらしいピンチもなく、チャンスらしいチャンスもない膠着状態が続いた、この試合を両監督はどう見たか?

 「良いチーム、良い選手が揃っている浦和に対してプレッシングを強めてボールを自由にさせない守備、できるだけ相手に気持ちよくプレーさせないような守備をイメージした」と三菱養和サッカークラブユース 庄内文博監督。

狙い通り、激しいプレスから素早くカウンターを仕掛け、かなり押し込む時間帯があった。しかし「とくに前半、PA内にいけたものの、ブロックされてしまい、決定機があるようでなかったゲーム。良い形でシュートを打てたかといえば、そうではなかった」ともどかしさを語った。

 一方「ボールは握っていたが大事な部分、ゴールまでの逆算ができていなかった」と浦和レッドダイヤモンズユース池田伸康監督。できるだけボールを持ちたかったが、相手のやり方に乗ってしまった感があり、結果、攻め急いでしまった。池田監督は「シュートを打てるのに打てなかったところが負け以上に悔しい。ことしは攻撃でも守備でも攻撃的にいくコンセプトを目指すなか、ゴールを取るためのプレーが少なかった」と反省を口にした。

三菱養和SCユースイレブン

 得点力、決定力が足りなかったのか、それともそこまでやらせない守備が良かったのか。その両方いえる試合内容だった。

 それだけに79分の決勝点は値千金。イレブン、ベンチメンバーともみくちゃになりながら、喜びあうなど一体感があった。

 それもそのはず、いまのメンバーは庄内監督のスクール時代からの教え子が多く、長く指導してきた選手ばかり。

 なかでも主将GK町田佳祐(3年)はチームの精神的支柱として信頼が厚く、試合中、味方への指示、鼓舞する声が絶え間なく、送られた。

 6年間、指導した庄内監督はGK町田について「振る舞いを含め、チームの中心としてどうするのか、問い続けるなか、目に見えてまとめられるようになった」と目を細めた。

 三菱養和の養和は「和を養う」の意。一丸となり、もぎとった今季初勝利となった。

(文・写真=佐藤亮太)

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