西武台 vs 東京ヴェルディユース

 後半に入っても西武台ペースで試合が進む。後半5分にはMF西村航がゴール前のこぼれ球を押し込みゴールネットを揺らすも、これはオフサイドの判定に。その後も攻める西武台はFW和田力也が試合を動かす。「相手の守備があの時間帯、バラバラに感じてドリブルでディフェンスの間をカットインして抜いていこうと思った」という和田が、同21分に左サイドからDF2人の間をドリブルで抜いてPAに侵入すると倒されてPKを獲得。そのPKを自らが決めて待望の先制点を奪う。

 さらに同34分、西武台はMF武笠修也がミドルシュートを決めて2-0とする。このまま試合終了かと思われたが、東京ヴェルディユースは同45分に獲得したFKをゴール前に放り込み、混戦になったところをMF佐藤陽輝が押し込み1点差とする。

 ロスタイムは4分。すると「交代選手が流れを変えてくれた」(東京ヴェルディユース中後雅喜監督)という通り、途中交代で入ったFW川村楽人(1年)が劇的な同点弾を決めて2-2に。その瞬間に試合終了のホイッスルが鳴った。

 ラストプレーで追い付かれドローに終わった西武台だが、今までの試合とは明らかに違い、攻撃的な部分が多く見られ、今後の躍進へ期待が持てる試合となった。

 最後に追い付き何とか勝ち点1を獲得した東京ヴェルディユース中後雅喜監督は「西武台さんのサッカーに苦しみましたが、長いリーグ戦の中で苦しい試合でも勝ち点を取っていく部分ではポジティブに捉えています。技術とタフさがまだまだ足りない事が確認できたので、そこを改善していかないと勝点3はとれないですね」とコメント。

 惜しくも最後に勝利を逃した西武台の守屋保監督は「今日の試合はインターハイ予選よりは格段に良い試合でした。もっともっとボールを動かして相手のPAに侵入していくんだという意識で練習してきて、それが出てきた試合でした。そこに勝利というものを与えられれば選手も“これでいいんだ!”と思ったと思いますし、そういう試合にしたかったんですが、残念ながら、そこまではいけなかったですね。もう一回続けていきたいと思っています」と話し、次の矢板中央戦に向けては「臆することなく、攻撃的に戦っていきます」と悔しさを滲ませながらも力強く語った。

(文・写真=古部亮)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 関東1部
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