FW橋本マリーク識史(左)は見事なバイシクルシュートを決めた(写真=多田哲平)

 そうしたコメントどおり、後半に入っても様相は変わらず帝京がゲームを支配。そして、怒涛の反撃を見せた。

 47分、橋本がペナルティエリア内で倒されてPKを得ると、このPKを齊藤が決めて同点に、さらに59分には、ゴールまで約35メートルほどの距離から田中が左足で強烈なキャノンショットを突き刺し、逆転に成功する。

 リードを得ても帝京の攻撃は止まらない。前半から続く両SBのDF22並木雄飛(3年)とDF2島貫琢土(3年)のオーバーラップもとどまることを知らなかった。

 そして63分には押川のCKに、橋本がオーバーヘッド気味のバイシクルシュートを叩き込み、リードを広げる。

 さらに77分には、齊藤から押川へとつないで供給されたクロスに、最後は伊藤が合わせて冷静にゴール。5点目をゲットした。

 その後、前掛かりになって反撃する矢板中央に、88分にDF畑岡知樹(3年)のゴールで3点目を奪われたものの、圧倒的な技術で局地戦で優位に立った帝京が、結局トータル5-3で競り勝った。

 帝京はこれで6勝0分2敗の勝点18。7月9日時点で暫定首位に浮上した。

 一方で敗れた矢板中央も、その多彩なセットプレーには見応えがあり、度々帝京ゴールを脅かしていた。木村はCKだけでなく、ロングスローでもチャンスを演出。またCBの畑岡とボランチの田邉は得点しただけでなく、1対1で粘り強く戦っていた。

 矢板中央にとっては、この試合が全国インターハイ前最後の公式戦となった。かたや帝京は7月17日に鹿島アントラーズユースとの第4節(延期分)を戦ったあとに、全国大会の開催地である徳島へと乗り込むことになる。

(文・写真=多田哲平)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 関東1部
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