愛媛FCのキャプテンDF4小野成夢(写真=寺下友徳)

 相手DFの身体の向きをよく読んでペナルティエリア左を力強く突破したのは行友。さらに「声が聞こえたので感覚で流し込んだ」マイナス気味パスに反応しワンタッチで合わせたのは川口。個人技、ベンチワーク、個々の特徴を存分に発揮した先制点に、100人近くが詰め掛けた愛媛FCサポーターからも大きな拍手が沸き上がった。

 ここにきて、テスト期間により全体練習が前日だけだったというトレーニング量の差が歴然としてきた今治東。それでも闘志は失わず59分には混戦から竹内がシュート。しかしこれはまたしても愛媛FC牧口のファインセーブに阻まれた。

 そして残りの時間は愛媛FC・背番号「7」行友翔哉の独壇場となる。80分にはPA左角度のない位置から「自分でも自信を持っている」右イン巻きシュートでチーム2点目を決めてみせれば、さらにアディショナルタイムには25メートルのドリブル突破から左脚で決めて3対0。

 「セレッソ大阪の北野颯太やサガン鳥栖の福井太智、同郷山口県出身のFC東京・東廉太とかがJ1のリーグ戦やカップ戦に出ていることが刺激になっている」と語る行友の2ゴール1アシストにより、愛媛FCはリーグ首位をがっちりとキープした。

 「この強度が全国では当たり前に来る」(谷謙吾監督)と、インターハイを前に実体験きた今治東にとっても収穫が得られたこの一戦。これからも今治東と愛媛FCは、愛媛県のみならず四国地区をけん引、さらに全国へ発信できる存在となるべく研鑽を続けていく。

(文・写真=寺下友徳)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 四国
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