筑陽学園 vs アビスパ福岡 U-18(写真=中倉一志)

 後半に入るとさらにアビスパU-18のアグレッシブな守備が際立つようになっていく。2点のリードで勢いづくアビスパU-18のボールに対するアプローチの早さがさらに鋭くなり、ボールホルダーに対してあっと言う間に数的優位を作ってボールを奪い、巧みにボールを収める北浜を起点にして、次から次へと選手がゴールに向かって飛び出していく。そして66分、アビスパU-18は、右サイドからのクロスに北浜が右足で合わせて3-0。これで実質的な勝負が決まった。

 だが、このままでは終われない筑陽学園もここから反撃を開始する。攻撃をけん引したのは途中出場の石橋篤己。前線を幅広く動いてボールを引き出し、自ら積極的に前に仕掛けていく。その動きに触発されるかのように筑陽学園に攻撃のリズムが生まれ、アビスパU-18ゴールに迫ることが多くなっていく。

 だが、それでもアビスパU-18の堅守は揺るがなかった。この日は夏を思わせるような気候の中での試合だったが、運動量は衰えることを知らず、常に数的優位を保ってボールホルダーを囲い込み、そして局面では身体を張って筑陽学園の攻撃を寸断した。試合はそのまま長いアディショナルタイムを経て試合終了のホイッスル。強度の高い守備を見せたアビスパU-18が、お手本通りの「良い守備からの良い攻撃」を見せて筑陽学園に完勝した。

(文・写真=中倉一志)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 九州
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