狭山ヶ丘vs大宮南は接戦に(写真=河野正)

 大宮南は延長後半5分に決勝点を挙げたが、アシストしたのはまさに、延長後半開始から起用された2年生MF本角駿太だった。右サイドからオフサイドラインぎりぎりのところへスルーパスを供給。反応した鈴木優がカーブをかけた一撃をゴール左に沈め、歓喜のガッツポーズをつくった。

 狭山ヶ丘は終了間際、左CKから惜しい場面を迎えたが、押し気味に進めながらも追い付けなかった。

 ベテランの田中龍太郎監督は薄氷の勝利に「勝った良かったです」とひと息つくと、「内容は良くないが、気持ちの強さは褒めたい。我慢してよく1失点に抑えてくれた」と選手の労をねぎらった。

 大宮南もご多分に漏れず、2月は新型コロナウイルスに苦しんだ。濃厚接触者が出たり、学級閉鎖があったりでほとんど練習ができない時期もあった。それもあって、4強入りした新人大会南部支部予選では大勢の選手をテストできたそうだ。

 田中監督は「公式戦初出場は右サイドバックの齊藤(士恩)だけ。コロナの影響は大きかったが、その分、いろんな選手が経験を積めた」と話し、「次も勝って何とかベスト8に入りたいですね」と結んだ。

 この4月1日付で埼玉県サッカー協会の技術委員長に就任し、ますます多忙な身の上ながら、チームの躍進に向け粉骨砕身している。

(文・写真=河野正)

▽令和4年関東高校サッカー大会埼玉予選
令和4年関東高校サッカー大会埼玉予選