国見vs 瓊浦(写真=藤原裕久)
1点を奪った国見は後半に入ると、無理に攻撃を押し上げずサイドを使った丁寧なビルドアップを狙い、50分にはPKで追加点。2-0とすることに成功する。2点差をつけられた瓊浦だがその後も走力・気迫は衰えず。回数こそ少ないものの川口颯太や一ノ瀬海音を走らせてのカウンターで反撃を狙い、最後まで試合を諦めない姿勢を見せていく。一方の国見も積極的に仕掛けてチャンスは作るものの細かいミスが目立ち、追加点は終了間際の西山蒔人の1点のみで3-0で試合を終了した。
「良いところが何もない、駄目なゲームですね。チャンスを作っていても決めきる力がなかったり、最後のシーンで余裕がなくてフリーの選手をみつけきれない、1タッチでフリーになれる場面でボールを持ってしまったりと、判断の質が低いゲームになってしまいました。やっぱりまだ(ゲーム全体やピッチが)見えていないんでしょうね」
試合後、国見の木藤健太監督は静かにそう語った。
「引いた相手をどう崩すか」は、上を目指すチームには必ず問われる問題である。この日の国見はまさにその難問に直面し悪戦苦闘することになった。それでも3点差で勝利したことを考えれば、内容的には満足できないだろうが最低限のクリアは何とかできたと言えるだろう。だがもっと上を目指すための課題は残った。一方、健闘した瓊浦にとっても、あれだけの堅守を見せながら終わってみれば3点差での敗戦は不本意だろう。そういう意味では、両チームにとってリーグ開幕戦は、強くなるための宿題を持ちかえることになった試合になったのではないだろうか。
(文・写真=藤原裕久)
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