長崎2強らしい接戦に(写真=藤原裕久)

 そこから互いに攻めあう時間帯が続くなか、和田夢叶と中村敦貴を中心に左サイドで優位に立つ国見は、前半終了間際に中山葵のゴール前での落としから利根悠理が逆転ゴール。2-1と試合をひっくり返して前半を折り返す。

 後半、ボールを動かすスピードを高めて決定的な3点目を狙いにくる国見に対し、長崎総科大附はタイトなプレスを徹底。GK龟井一起の好セーブあり追加点を許さない。攻撃でも68分にFW佐藤海斗を投入し背後狙いを強化するなど揺さぶりをかけていき、74分に竹田のFKから瀬戸俊樹のヘディングで同点とする。

 勝たなければリーグ制覇の夢が絶たれる国見はここから前に圧力を高めようとするが、長崎総科大附は、前に出てくる国見の背後を狙う落ち着いたゲーム運びを披露。国見も終盤には3バックにして攻めに出たものの、長崎総科大附がそのまま集中力を落とさずに、国見の反撃を抑えて2-2で試合を終了した。

 リーグ最終節後に、延期分の試合を残すとはいえ、第18節を終了した国見の成績は12勝3分1敗の勝ち点39。これに対して、勝った長崎総科大附はリーグ成績を14勝2分1敗とし、勝ち点を44に積み上げ、国見の延期分の結果を待たずに長崎総科大附の県リーグ連覇が決定した。

 「ウチは選手権に出場できなかったので、なんとか後輩たちのためにもと3年生が頑張ってくれた。負けたくないという気持ちが戦う姿勢になって出たんだと思います。ちょっとした隙で不要な失点があって、そこが今年の甘さだったんだろうなと。国見はしっかりしたチームなので、それに対してやれることをやろうという話をしていたんですが、選手たちが共通理解をもってやってくれました」

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