右SBのDF永田拓夢は機を見たオーバーラップで攻撃に厚みをもたらす(写真=多田哲平)

 ただ2点目が遠かった。51分にはDF2谷岡拓(3年)のクロスにMF6白井柚希(3年)が滑り込みながら合わせるも、65分には高橋が鋭いドリブルからシュートを放つも、いずれもゴールを割れず。

 決定機を作りながらも追加点が奪えない停滞感を払拭したのは、途中交代のメンバーだった。57分にMF西井大翔(3年)に代えて投入したMF近藤安元(3年)が中盤でボールを巧みに捌き、68分に望月空(3年)に代わってピッチに立ったMF11寺裏剣(3年)は鋭いドリブルで攻撃を活性化させた。

 より攻勢を強めていった静岡学園に追加点が生まれたのは73分。寺裏の強烈なシュートがポストにはね返ると、それに白井が反応して押し込んだ。

 結果は2-0。シュート数は飛龍の2本に対し、その10倍の20本。数字を見れば2得点は物足りなくも映るが、それでも危なげない勝利だったと言える。

 準決勝へ駒を進めた静岡学園は、決勝進出をかけて磐田東と対戦する。

 一方で敗れた飛龍もチャンスこそ少なかったが、素早いプレスから時折見せたショートカウンターは迫力があった。17分には敵陣でボールをカットしたFW10手登根蒼人(3年)シュートに持ち込み、35分には、その手登根とのワンツーからペナルティエリア内に進入したMF9森田眞弘(3年)もゴールを果敢に狙った。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選