華麗なドリブルシュートで先制点を決めたMF香川太朗(写真=多田哲平)

 これで勢いに乗った藤枝明誠はその2分後の67分、今度はFW9林賢人(2年)の鮮やかなシュートで加点。リードを2点に広げた。

 残り13分という時間帯を考えれば、勝利はほぼ手中に収めたはずだった。ところが――。

 76分にDF出水志耀(3年)にヘディングシュートを決められて1点を返され、不穏な空気が漂い始める。

 それから藤枝東の猛反撃を受けると、80+1分、DF5大場翔太(3年)のロングスローからFW16植野悠斗(2年)にヘディングシュートを許し、2点目を献上。土壇場で同点に追いつかれてしまう。

 そのままPK戦へと突入。しかし、ここで存在感を発揮したのがGK1柴田真之介(3年)だった。

 柴田は相手のひとり目のキックを見事にストップ。続く2人目のキッカーは藤枝明誠、藤枝東ともに失敗したが、その後、藤枝明誠は3人全員が成功。相手の5人目のキックを待たずしてトータル4-2でPK戦を制した。

 接戦をモノにした藤枝明誠は初の決勝進出。静岡学園を倒して勝ち上がってきたダークホース磐田東との対戦に臨むことになった。

 一方で敗れた藤枝東も、局面で技術の高さを披露。MF21泉新之助(2年)やMF8渡辺皐(2年)ら中盤が流動的にポジションを変えながら迫る攻撃には迫力があった。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選