巧みなチームワークで2得点(写真=多田哲平)

 大坪監督は言う。「選手たちがこれまで以上に、どうすればやりたいサッカーを機能させるかを、僕が『ああせい、こうせい』と言うよりも、自分たちで改善することが多い。強い相手にも主体的に動いてやるんじゃないかなと思っていたらピッチのなかで自分たちで解決していった。それが見えた試合なのかなと」。

 そうしたチームワークが培われるのは中高一貫校の強みだ。併設されている高知中サッカー部の選手のほとんどが高知高に進学するそうで、この日のスタメンも11人中8人が高知中サッカー部出身だった。

 また大坪監督は、高知中の森本稔監督と毎週1度スタッフ会議を行い、密に連携を取り合っているという。スムーズな”昇格”体制と強化を図られれているというわけだ。

 そうした環境で築き上げてきた連係は、まさに阿吽の呼吸。キャプテンの角田が「言わなくても通じる部分はやっぱりあるし、何かあれば言い合える。最近はよりその雰囲気が生まれてきて、今日もめっちゃ話していて、良さが出た」と話せば、先制点を決めた西本も「(MF7松井)貫太(2年)とかは持ち方が独特だし、タイミングも人と違う。そういうところが長くやってきているぶん分かる。あとは動き出しも。あと颯磨は強いので、つけたら良い形が作れるというのが頭にある」と同調する。

 会心の勝利は、長く積み上げてきたチームワークによって生まれたものでもあるのだ。見事に初戦を突破した高知は2回戦で、昨年度準優勝の米子北と対戦する。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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