尚志のMF岡野楽央は同点のPK弾を決めた

 後半に入り、均衡を破ったのは山梨学院だった。

 40分、庄司が左サイドのちょうどセンターラインから一気に前線にフィードを送ると、素早い抜け出しでこれを引き出した小棚木が巧みなトラップから左足でインパクト。華麗な弾道のシュートをゴール右に突き刺し、先制点をもたらした。

 その後は尚志の反撃にあいながらもGK1長谷川皓亮(3年)、DF3芳野伯(3年)、DF4歳藤稜久(3年)を中心に必死に食い止めていたが、悲劇は試合終盤に訪れる。

 60分をまわった頃だった。FW17網代陽勇(2年)の落としを受けてペナルティエリアに仕掛けてきたMF12安斎悠人(2年)をファウルで倒してしまいPKを献上。これを岡野に決められて同点とされるのだ。

 そして1-1のまま決着はつかず、勝負はPK戦へと突入。

 4人目がお互いに外して4-4で迎えた6人目。先攻・尚志のキッカーのシュートをGK長谷川がストップすると、後攻・山梨学院のMF野田駿人(3年)は成功して、ついに決着。

 大接戦を制した山梨学院は、2回戦で四日市中央工(三重)と激突することになった。

 対して残り数分で追いついてみせた尚志の粘り強さも称賛に値した。キャプテンでCBのDF山田一景(3年)の統率力は素晴らしく、また山本のアタッキングサードでのアイデアと打開力も目を引いた。また桜松、網代、安斎といった2年生アタッカーの躍動も印象的だった。

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)