岡山学芸館のFW今井拓人は2得点の活躍(写真=多田哲平)

 この1点で岡山学芸館は波に乗った。後半に入るとさらに、50分にM岡本のグラウンダーのクロスを田口が落ち着いて合わせて加点。57分には右サイドからペナルティエリアに進入した今井が左足を振り抜き、3点目を奪う。

 その後、61分に山田の得点でリードを4点に広げると、67分にはGK12平塚仁(2年)からの超高精度のロングパントを受けた今井がそのまま敵陣を切り裂き左足で5点目をゲット。鬼気迫るほどのゴールへの執着を見せていた背番号9はこの日2得点の活躍だった。

 多彩な攻撃から5ゴール。試合後の高原良明監督も「バイタルのところをどうやって崩していくかというところをテーマにずっとやっていたので、そういった部分が多少出せた」と手応えを語る。

 もっとも攻撃だけではなく、守備陣の冷静さも見逃せなかった。ボランチのMF3福井慎(3年)と、キャプテンのDF4井上斗嵩(3年)ら最終ラインが正確に連動したブロックを築き、中京大中京につけ入る隙をほとんど与えなかった。

 攻守に盤石ぶりを示した岡山学芸館は5-0で中京大中京を下し、8強入り。準々決勝では帝京(東京)と対戦することになった。

 かたや中京大中京も、先制点を与えるまでは、自慢の守備力を垣間見せた。また47分のDF2那須琳斗(2年)のFKからの畳み掛けや、48分のFW10溝口絢人(3年)のシュートには、なんとか流れを変えようという気迫をうかがわせた。

 中京大中京の鈴村真平監督は「いかに耐えられるかだったが力強さに負けた。全国で戦うチームは、フィジカル的にもメンタル的にも強い。いかにチームワークを発揮して勝つかを、もうひとつ磨いていく必要があるのかな」と、今後を見据えた。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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