八幡南 vs 北九州(写真=中倉一志)

 後半も一進一退の主導権争いは変わらない。だが、キックオフ時点で24℃あった気温は徐々に上昇。試合は消耗戦の様相を呈し、疲労のためか互いにミスが多くなり我慢の時間が続く。そんな中で主導権を奪ったのは運動量の豊富さで上回る八幡南。縦への推進力に陰りが見える北九州に対して、中盤でボールを奪うと素早く切り替えて北九州ゴールへ迫る回数が多くなっていく。

 八幡南の狙いは北九州の最終ラインの裏。前へ出ようとする北九州に対して、シンプルにダイアゴナルなロングボールをラインの裏に放り込み、そこへFWを走り込ませる。狙い通りにいくつかの決定機を作り出したが、やはり疲労の影響か、わずかにタイミングが合わずにゴールは生まれない。結局、そのまま後半が終了。勝負は延長戦へと持ち越された。

 延長前半は再び北九州が主導権を握る。立ち上がりに見せたテンポの良いパスワークが復活。リズミカルにパスを回し、両サイドを広く使って八幡南の堅守を崩しにかかる。だが、前がかりになる北九州に生まれた一瞬の隙を八幡南は見逃さない。延長前半の4分、鋭いカウンターを仕掛けてPKを奪取。これを津山朋輝が落ち着いて決めて1点のリードを奪うと、その後の北九州の反撃を危なげなく防いで3回戦進出を決めた。

(文・写真=中倉一志)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選