後半も筑陽学園は攻撃の手を緩めない。後半に魅せたのは強いフィジカルを活かして攻撃の起点となる杉森隼人だった。後半開始直後の1分。右サイドを突破した深松快吏の折り返しに右足を合わせて追加点を奪うと、後半5分にもまったく同じ形からゴールを奪ってハットトリックを達成。不動のエースFWとしての存在感を見せつけた。

 そんな筑陽学園に対して、筑紫は右サイドにボールを集めて縦への突破に活路を見出そうとするが、筑陽学園の堅固な守備はこれを許さない。1対1の局面で筑紫を上回り、プレスを巧みに剥がし、プレッシャーをかわそうと蹴ってくる筑紫のロングボールに対しては、そのセカンドボールを拾って再び攻撃に転じる。やがて試合は筑陽学園のハーフコートゲームになっていく。

 そして筑陽学園のとどめのゴールは後半の35分。佐藤秀途が右足でゴールネットを揺らして試合を締めくくった。県予選はシード校として4回戦からの出場だったが、1回戦から勝ち上がって勢いに乗る筑紫の挑戦を難なく跳ね返した筑陽学園の実力が印象に残る試合だった。

(文・写真=中倉一志)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選