九州国際大付 vs 飯塚(写真=中倉一志)

 それでも九国大付がゴールを許さなかったのは、今大会無失点の守備力があったからだろう。そして九国大付は後半に入ると井上陽斗のポジションを下げて、ロングボールとピッチの幅を広く使うパスワークをバランス良く使う本来の姿に戻し、徐々に自分たちのリズムを取り戻していく。

 そんな展開の中で先制点を挙げたのは飯塚。後半21分、織田翔空のクロスボールに芳野凱斗が頭で合わせる。そして九国大付の反撃の狼煙は後半26分。ゴール正面やや右の位置で得たFKのチャンスに濱田大夢が右足で直接ゴールネットを揺らす。

 その後も互いに譲らない戦いは続く。飯塚がエースFW芳野凱斗の鋭いドリブルからチャンスを窺えば、九国大付は途中出場の大崎愛斗へロングボールを送り、セカンドボールを展開してゴールを目指す。守ってはともに強度の高い守備力を発揮。局面のデュエルで決して譲らずに得点を許さない。

 そんな戦いは延長戦を終えてPK戦に突入しても変わらない。九国大付8人目のキッカーとして登場したGK與田和也のキックはポストを叩いたが、自ら飯塚の8人目のPKを止めて振出しへ。その後もお互いにPKを決め合って2巡目に突入。そして飯塚13番目のキッカーが決められなかったことで熱闘に終止符が打たれた。勝利した九国大付も、敗れた飯塚も見事な戦い。お互いに力を出し尽くした素晴らしい決勝戦だった。

(文・写真=中倉一志)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選
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