点差をつけても、浦和南のDF松戸海生は得点への意欲を示した(写真=佐藤亮太)

 これだけ攻める展開になるとカウンターで失点となりかねないが、そうさせないのが浦和南の強さ。熊谷西のチャンスの芽を中盤の速いプレスでことごとく摘み、ほぼ何もやらせなかった。

 そこにあるのは得点へのどん欲さ。印象的だったのが後半開始、FW11田邉碧(3年)に代わって前線に入ったDF4松戸。49分、チームの3点目を決めたのち、松戸はみずからボールを拾って、センターサークルに戻ったのだ。

 通常なら点差をつけられたチームが「まだまだ、これから」と追撃の意志を見せるが、一方的な試合でこうした光景は珍しい。それだけゴールにこだわっている証拠だ。

 もうひとり。終盤、2得点を挙げたMF14圖師。64分に投入されると、試合終了残り16分を惜しむかのようにとにかく仕掛ける。『俺が決める』と仕掛け続けての2得点は鬼気迫るものがあり、チーム内の競争の激しさを垣間見た。

 攻め倒すこの姿勢は試合前のミーティングでわかる。

 「とにかく(ラインを)あげる」

 「大胆に」

 「カウンターで絶対にやられない」

 「何度も何度も仕掛ける」

 「打てると思ったらどんどん打つ」

 シュート数、浦和南20本に熊谷西は1本。数字と結果で実証した圧勝劇となった。

 なお、浦和南は3回戦で狭山ヶ丘と対戦する。

(文・写真=佐藤亮太)

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