先制点を決めたFW鈴木桜介(右)と決勝点を奪ったMF要田陸玖(左)(写真=多田哲平)

 しかし千葉敬愛は焦らなかった。ベンチからは「大丈夫だ。まだいけるぞ」という声が飛ぶ。さらにシステムを3-5-2から4-4-2に変え、後手を踏み始めてきた守備の修正も図った。

 要田と関の2ボランチが運動量豊富に中盤のスペースを埋めながら、暁星国際の追撃をはね返していくと、78分、またもカウンターから追加点を奪取。左サイドからのパスを受けた要田が冷静にシュートを流し込み、再び突き放してみせた。

 その後も国際暁星の猛攻を受け続ける。終盤の相手のセットプレーでは、GK1大瀬晴暉(3年)までもがゴール前に上がってくるパワープレーを受けた。

 それでも粘り強くゴール前を固めて追加点を許さず、ついにタイムアップ。

 千葉敬愛の並木史記監督は以下のように振り返る。

 「暁星さんはすごく上手で、自分たちは精一杯頑張るだけだった。押し込まれても我慢。サッカーなのでいつかチャンスが来るだろうと、そのために準備していた」

 まさに指揮官の言葉どおり、辛抱強く守っては、強烈なカウンター2発を成功。見事に難敵を撃破して8強入りを決めた千葉敬愛は、次戦で日体大柏と相まみえることになった。

 一方で暁星国際にとっては、ゲームの主導権を握っていただけに悔しい敗戦となった。浅野、羽石の突破は強力で、またMF6坂口愛弥(3年)、MF8浦野陽大(3年)、MF7林蓮磨(3年)のゲームコントロールも巧みだった。後半には交代カードを切りながら反撃を狙ったものの、あと一歩及ばなかった。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選