関西 vs 就実 (写真＝寺田弘幸)

　3位で終えた今大会を、主将の春名倖生は悔しい表情を浮かべて振り返る。

　「ベスト8の作陽戦はかなり難しい試合だったんですけど勝つことができた。なのに、準決で玉野光南に負けてしまって。シュートは自分たちのほうが多かったのに決め切れなかったし、前半の失点も終了間際に一発で裏をやられたもったいない失点だった。本当に悔しくて落ち込んだけど、もう終わった試合は戻ってこないので、今日は選手権やプリンスの試合に向けて絶対に勝とうと思ってやりました」

　あと少しのところまで全国は近づいている。しかし、その少しが遠くもある。須田監督は初出場を果たすことの難しさを実感している。

　「背中は見えていて、あとは最後のところだと思っていますけど、ゼロを1にする作業ってこんなに苦しいんだなとも思っています。おそらく、1を2にするのとは違うパワーがいるんじゃないですかね。ゼロを1にする作業って本当に難しいんです」

　ただ、ここで立ち止まるつもりはない。「こんなに悔しい想いをして、ここでやめるわけにはいかないでしょ。まだ伸びるところはたくさんあるんで鍛え直します」と須田監督は決意を改めていた。選手たちも自信を失っていない。「今年は能力的にも他校に劣っているところはないと思っているので、絶対に全国に行きたい」と春奈。初めての歴史を作るため、就実の挑戦は続く。

(文・写真＝寺田弘幸)