ルーズボールを競り合う今治東FW7今井澪斗と帝京第五MF15山口雄人(写真=寺下友徳)
しかしながら、帝京第五のケアは迅速だった。29分にMF7藤野碧斗(3年)を投入。「うまくいかない場合、最初から準備はしていた」とは帝京第五の植田洋平監督。武田を左SBに落とす策で大荒の突破を止めると、33分にはMF梅澤のロングスローのこぼれ球を素早く右サイドに展開しMF山口のクロスからFW一瀬が打点の高いヘッドで同点。帝京第五が勢いを取り戻した形で前半は1対1で折り返した。
後半に入ると流れは再び今治東に。「帝京第五は球際が強いので、そこと走り負けないことを試合前に確認して、ハーフタイムには失点したからこそ、もっとつないでいくことを確認し合った」(キャプテン越智)。彼らは、さらにポゼッション率を高めて帝京第五の攻め手を封じにかかる。
それでも帝京第五の踏ん張りで延長戦がちらつき始めた後半34分、次の1点は今治東にもたらされる。相手スローインを拾った勢いでカウンターを仕掛けCKを奪った今治東は、MF佐伯が蹴ったストレートボールにDF竹内がドンピシャのヘッド。「みんながニアに入って僕のところを空けてくれたし、キッカーのボールもよかった。試合前日に練習で練習していた形ができました」と竹内自身も大満足のスペシャルプレーが、熱戦の行方を決めた。
かくして谷監督が就任した2012年4月以降、実に5度目の決勝戦チャレンジで壁を突破した今治東。地の利を得る四国地区・徳島県でのインターハイ開催で彼らは「インターハイで引退する3年生のためにも、過去に先輩方が勝ち進んだベスト16を超える」(越智)べく、さらに今治東スタイルの強化を図っていく。
(文・写真=寺下友徳)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)愛媛予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)愛媛予選