前半アディショナルタイム、高知西MF田野下臥が3点目を決める(写真=寺下友徳)

 試合は、今年度限りで高知南と統合し「高知国際」として生まれ変わる高知西がフォアリベロ・岡田の高い回収能力と多彩な配球を起点に、ピッチ上を躍動し続けた。19分、右サイドから松木とのワンツーでインナーラップとオーバーラップを仕掛けた小野の得点で先制すると、25分には小野のパスを受けた中村のゴールで2対0に。アディショナルタイムにも坂上からのロングフィードから巧みにDF裏に飛び出した田野下が3点目。前半にして大きなリードを奪った。

 後半、岡豊はボランチ山崎のフィジカル能力を利して縦への意識を高めるが、高知西は時に岡田がDFラインに入るなど、数的優位を作ってシュートは許さず。逆に後半アディショナルタイムにも松木が頭で決めて4対0。準々決勝で明徳義塾に対し4対4・PK勝ちと堂々と渡り合った高知西がポゼッション能力と攻撃力の高さを見せ付け、新人戦では1対1からのPK戦で敗れた岡豊をシュート0に封じて3位決定戦を制した。

 試合後、「2度の選手権出場を通じ自分たちのスタイルを構築できたし、私学校ともがっぷり四つに渡り合えた。インターハイに出場することはできなかったですけど、選手権に向けて3位を取ることはミッションにしていたのでよかったです」と、安堵の表情を浮かべた高知西・寺尾拓監督。彼らは27人の心をひとつに、冬の選手権で、スタッフ・地域へ最大の恩返しとなる4年ぶり3度目、そして高知西最後の全国チャンスを目指す。

(文・写真=寺下友徳)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)高知予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)高知予選