都立保谷の五百川は3得点と決定力の高さを見せつけた(写真=多田哲平)

 後半に入っても駿台学園の戦い方は変わらない。後ろからつなぎつつ、サイドに大きく振って相手を揺さぶっていく。

 すると11分、中央でこぼれ球を拾ったMF20佐々木陽音(2年)が冷静にシュートを決めて、リードを再び広げた。

 しかし、それでも食らいついてくる都立保谷を振り切れない。27分に左サイドのクロスから五百川に追加点を許すと、28分にはまたも五百川のシュートを浴びて、ついに同点に追いつかれた。

 相手をさらに勢いづかせてしまいそうな嫌な雰囲気が漂い始め、チームに焦りが見え始める。

 そんな重い空気を振り払ったのが、佐々木だった。35分、中央でボールを受けると、痛烈なシュートをゴールに突き刺した。これが値千金の勝ち越しゴールとなった。

 西と佐々木の2ゴールずつで打ち合いを制した駿台学園は1次トーナメントブロック決勝へと駒を進めた。

 一方、駿台学園をギリギリまで追い詰めた都立保谷の奮闘も見事だった。ハットトリックを決めた五百川の決定力は素晴らしく、その他にもMF10丸山芳瑠(2年)のアイデア溢れるパス、MF11青鹿天詩(3年)の切れ味鋭いドリブル、DF4石井康平(3年)の力強い対人守備は印象的だった。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
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