川口もMF中村俊介のドリブルなどで度々ゴールに迫った(写真=多田哲平)

 前半はほとんど防戦一方だった栄北は、後半に息を吹き返す。

 そのきっかけとなったのが、1分のFKだった。左サイドからゴール前へと供給されたパスにMF15藤井晴大(3年)がヘディングで合わせて、同点ゴールを奪う。これで栄北は波に乗った。

 サイドから打開を図ろうとする相手の中村と松本の突破を食い止め、度々鋭いカウンターを発動。FW11水村蒼太(2年)とFW10宇田川夏以(3年)が反撃に備えて極力高い位置を取り、その急先鋒となった。

 すると27分、左サイドのクロスからの流れで、こぼれたボールに宇田川が反応。強烈な右足ミドルをゴール左隅に突き刺し、ついに逆転ゴールを奪ってみせた。

 その後、終盤まで川口の猛攻を受けながらも、守備陣を中心に必死に持ちこたえ、1点のリードを最後まで守り切った。

 見事に逆転勝利した栄北は、ブロック決勝へと駒を進めた。

 一方で川口が前半にみせた戦いぶりは賞賛に値するものだった。ハイプレスで相手の自由を奪い、そこからロングパスとショートパスを使い分けて敵陣のブロックを崩しにかかった。中村の突破力、蓮井とMF8村田滉亮(3年)の出足の速い寄せは相手の脅威になっていた。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選
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