セットプレーからもチャンスを作った(写真=多田哲平)
2本目は大きくメンバーを入れ替え、システムは4-3-3に。GKは1本目の30分から出場していた栗林颯(サガン鳥栖U-18)。ディフェンスラインは右から桒原、西野奨太(北海道コンサドーレ札幌U-18)、行徳瑛(静岡学園)、石川晴大(清水エスパルスユース)。中盤のアンカーは石渡ネルソン(セレッソ大阪U-18)、インサイドハーフは松村晃助(横浜F・マリノスユース)と徳永。3トップは右から楢原慶輝(サガン鳥栖U-18)、熊田直紀(FC東京U-18)、阪田澪哉(東山)となった。
2本目のメンバーは、1本目をベンチで見ていたからかスムーズに試合を進め、徐々にボールがつながり始める。
すると17分、松村のパスに抜け出した楢原がパンチのあるシュートをゴール右に突き刺した。
「晃助(松村)とは、あまり一緒にやったことはなかったんですけど、前から知っていました。それに試合前から、『自分がここに来たら、ここに出してくれ』とか話していた。”仕込み”というか。なので、晃助ならここに出してくれると思って、先に走っていました。で、しっかり出してくれたので、あとは冷静に足裏でいいところに置けたのが、ゴールにつながったかなと」。楢原はそう振り返る。
楢原の”仕込み”が活きたゴールで先制したU-18日本代表は、その後も試合のリズムを作っていく。20分にカウンターから阪田がひとりで持ち運びシュートを放ち、31分にはゴール前の熊田を狙って石川が好パスを供給した。
守っては、15分のFKも27分のCKもはじき返し、30分過ぎには畳みかけるような反撃を受けながらも、これをいなす。行徳、西野、そして2本目の15分から出場したGK中村圭佑(静岡学園)のブロックは最後まで崩れなかった。
そして試合は計1-0で終了。見事に年上の相手に勝利した。相手は韓国の選抜チームとあって、選手たちにとっては国内では得られない経験になった。
冨樫剛一監督は「テクニカルスタッフが映像を作ってくれて、良い準備をしてゲームに入っていけたのがすべてだったんじゃないかなと。相手は調整だったかもしれないし、結果としては勝ちましたけど、アクションを起こし続け、トライをし続けた攻守があったからこそ得られたもの、あるいは足りないと感じたものがあった。そのトライし続けたからこそ、たぶんU-19代表に引き上げられる選手もいたんじゃないかなと感じます」と試合を振り返った。
(文・写真=多田哲平)