大分鶴崎 vs 大分南

 しかし、ここからゲームは大分鶴崎のペースになる。中盤でボールを持たれ、奪い返すことができない。最終ラインも後退し、自陣で耐える時間が増えた。前半アディショナルタイムには左サイドを突破され、FW川野竜聖(3年)にネットを揺らされてしまう。1点差で迎えた後半も流れを変えられず、耐える時間帯が続く。後半22分に大分鶴崎の主将・CB遠山隼都(3年)が一発退場となって数的優位な状態になったが、そのアドバンテージも生かせない。

 試合は80分で決着が付かず、勝負の行方は延長戦へ。ここから大分南は盛り返し、積極的に攻撃を仕掛けていく。しかし、最後の精度を欠き、ゴールをこじ開けられない。前後半10分ずつの戦いでもスコアは動かず、PK戦にもつれる展開となった。

 その中でヒーローになったのが、GKの秦琥太朗(2年)だ。先行の大分南は1本目を失敗してしまうが、3本目を秦が阻止する。その後は互いに1本ずつ失敗するなかで、迎えた10本目。大分鶴崎が外すと、後攻の大分南は秦がペナルティスポットに向かう。「右か左に蹴ってしまうと止められてしまう」と感じた守護神は迷わずに真ん中へ蹴り込んで、試合に終止符を打った。

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▽第101回全国高校サッカー選手権大分予選
第101回全国高校サッカー選手権大分予選