武蔵台 vs 八幡南(写真=中倉一志)

 後半に入ると監督の檄が効いたのか武蔵大は最終ラインを高く上げると、前への意識を高くして八幡南陣内へ攻め込む時間が増えていく。対する八幡南もひるまない。前半との比較で言えば守備ゾーンが全体的に下がったものの守備の仕方に綻びはない。自陣に押し込まれながらもゴールチャンスは与えない。ここからは我慢比べ。連続攻撃を仕掛ける武蔵台がゴールをこじ開けるか。豊富な運動量とアグレッシブな守備で八幡南が逃げ切るか。手に汗を握る展開が続く。

 そしてこのまま試合が終わるかと思われた35分。ゴール前の混戦からようやく武蔵台が八幡南のゴールをこじ開ける。この同点ゴールで勢いづいた武蔵台は35+4分に逆転ゴール。攻めても、攻めてもゴールが奪えない展開の中で焦れずに攻め続けたことで活路を開いた。そんな武蔵台の影の立役者はGK。後半には八幡南にカウンターから決定的なチャンスを作られたが2つのスーパーセーブでゴールを死守。追加点を与えなかったことが劇的な勝利へと結びついた。

 一方、最後は力尽きたが八幡南だが、全員が仲間のために走り、身体を張る組織的、かつ献身的な守備は見応え十分。その姿勢はグッドルーザーと呼ぶにふさわしいものだった。

(文・写真=中倉一志)

▽第101回全国高校サッカー選手権福岡予選
第101回全国高校サッカー選手権福岡予選